何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

知的プロフェッショナルへの戦略

2009-02-01 22:47:58 | Book Reviews
「知的プロフェッショナルへの戦略 知識社会で成功するビジネスマン 11の心得 田坂広志・著、講談社、2002年3月18日

p.21 「ディープ・ナレッジ」、優れた直観力や洞察力、見事なスキルやセンス、巧みな的にっくやノウハウなど、永年の職業的な体験を通じて獲得した「職業的な知恵」とでも呼ぶべきもの。

p.28 「プロフェッショナル」とは、「置き換え」のできない人材。

p.44 インターネットによる「知識の流通革命」は、「専門的な知識」を商品として仕事をしている人々にとっては、極めて厳しい状況をもたらします。いまの世の中で「知的職業」と思われている人々の多くが、実は、単なる「知識」の伝達と流通で仕事をしているからです。

p.49 これまで世の中で「知的職業」と思われていた人々が、実は、あまり「知的」でない仕事をしていたことに気づかれたでしょうか?
 すなわち、こうした「知的職業」の多くが、実は、単なる「知識の伝達と流通」で仕事をしていたのです。

p.55 「メタ・ナレッジ」とは何か? それは「知識を学習するための知識」「知識を編集するための知識」「知識を創造するための知識」です。
 いわゆる「読書方法」「学習方法」「整理方法」「評価方法」「編集方法」「企画方法」「発想方法」などと呼ばれる「方法」に関する知識です。

p.56 急速に「専門知識の陳腐化」が生じる時代に処するための一つの方法は、この「メタ・ナレッジ」を身につけることです。
 「ナレッジ・ワーカー」が、こうした問題に処するための方法は、「ディープ・ナレッジ」を身につけることです。
 すなわち、最新の情報や最先端の動向といった「専門的な知識」ではなく、スキルやセンス、テクニックやノウハウといった「職業的な知恵」を自分の強みにしていくのです。

p.91 知識社会においては、「収穫逓増」のキャリア戦略を取らなければなりません。それは、端的に言えば、「収穫が加速度的に増えていく」という戦略です。

p.103 「収穫逓増」のキャリア戦略を具体的に実行するには、「仕事の報酬」を見誤らないこと。仕事の報酬とは「マネー・リターン」のことか。それ以外にも、「ナレッジ」(知識)、「リレーション」(関係)、「ブランド」(評判)、「グロース」(成長)という「目に見えない四つの報酬」があるのです。

p.116 転属や転職、独立などにおいて、次の職場や職業を選ぶとき、「給料」や「年俸」などの金銭報酬に目を奪われることなく、
「この職場で、いったい何が学べるのか?」(知識報酬)
「どのような人的ネットワークを気築くことができるのか?」(関係報酬)
「仕事を通じて自分の業界での評価を高められるか?」(評判報酬)
「人間としての成長の目標となるような上司がいるか?」(成長報酬)
といったことに目を向けて、人生の選択をしていくということです。

p.129 「私なりに努力はしているのですが」という言葉には、実は何も語っていない言葉です。なぜなら、いかなる「努力」も、「具体的」にどのような「工夫」をしたかという形で「客観的」に語られなければ、確かめようがないからです。

p.131 「自己投資」として「アフターファイズ」や「ウィークエンド」を使って身につけるべきは、「ナレッジ」(専門知識)ではなく、スキルやセンス、的にっくやノウハウ、さらには直観力や洞察力といった「ディープ・ナレッジ」(深層知識)をこそ身につけなければならないのです。

p.156 「陰の師匠」と呼べる人物を見出し、「私淑」する。「私淑」とは、優れた人物をひそかに尊敬して師と仰ぎ、模範として学ぶことです。

p.162 優れた師匠から、その「技」を摑むためには、単に言葉による教えを請うだkでなく、現実の仕事の場面で、その「技」が実際に発揮されている瞬間を観察し、真似し、体得する・・・、さらに「技」だけでなく、「背景」を見なければならない。

p.164 師匠から「技」を学ぶとき、その「技」の背景にある、その師匠の「個性的能力」をしっかりと理解する必要がある。
 「師匠」という人物の様々な個性的能力を全体として理解し、師匠の個性の「全体像」を理解する。それは「技」の本質である「バランス」を理解する必要がある。だから「猿真似」では摑めない。

p.183 「後悔」や「懺悔」からは学べない。「反省」が必要。反省がないのでは、高い代償を払って得た貴重な「失敗の経験」から、何も学べない。

p.194 知的プロフェッショナルの世界で「リレーション」が広がるというのは、「智恵の貸し借り」が成立する関係が生まれることに他なりません。

p.208-9 プロフェッショナルの世界で「ブランド」が形成されるためには、他のプロフェッショナルとは異なる「独自のスタイル」が必要なのです。独自のスタイルや個性は、「思想」や「美学」が映しだされたもの。「何のために、この仕事に取り組んでいるのか?」や「いかにして、この仕事を成し遂げるのか?」といったことに対する思想や美学。
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