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【銀行もモラルハザード:too big to fail】増税しているのは日本だけ、だが・・・④

2014-05-01 00:00:51 | 世界共通

(前回からの続き)

 前回、債務危機に陥っているにもかかわらず、ろくに税金も集めないような支払い能力や意欲が疑わしい国に対しても、国際公的機関、とくにIMFが支援の融資を続ける理由は、IMF等が借金国のデフォルトをおそれているから、といったことを書きました。

 では、借金国のそんな「モラル・ハザード」を助長してまでもIMF等が彼らをデフォルトさせないように支えるのはなぜでしょう。借金国をデフォルトに追い込むことで、その国の人々を苦しめたくないから? まあそれも多少はあるのでしょうが、もっと本質的な理由は投資家保護、具体的には、借金国の国債等を保有する欧米の金融機関に損害を与えたくないからだ、と思っています。IMF等としては、結果として借金国の債務がさらに増えても、その支援金が国債の償還とか利払いのための資金として欧州やアメリカの銀行に流れてくれればOK!といったところなのでしょう。

 というわけで、IMF等はギリシャを含む欧州PIIGSやウクライナ、さらにはアフリカ諸国等を絶対にデフォルトさせない―――となれば、投資家はこうした国々の債券をこぞって買うはずです。とくに何らかのリスク事象が発生してこれらの価格が下がったとき(利回りが上がったとき)が購入のチャンス! なぜなら、安く買って高く売って利ざやを稼ぐことができるから―――結局はIMF等の救済で資産価値が急上昇することが分かっているからです。

 かくして借金国、IMF等、そして(ほとんどが欧米の)投資家の三者は結託しながら(?)「借金バブル」をどんどん膨張させている―――これがいまの「リスクオン」と呼ばれる世界金融情勢の実態だと思っています。永遠に続くバブルなんてありえないにもかかわらず・・・。

 そして、上記リスクオン演出の一翼を担う投資家たち―――欧米の金融機関には、本来は危険なはずの「借金バブル」にのめりこむことができる十分な根拠があります。それがToo big to fail(大きすぎてつぶせない)」―――国際業務を手がける大銀行は、破綻すると世界経済や金融システムに深刻な悪影響を与えるので、破綻させることができない―――です。

 彼らはその「Too big to fail」とみなされているので、いくらでも危ない橋を渡れます。万が一、経営危機に陥っても政府等によって救済されることになるからです。つまり、ハイリスク・ハイリターンな投資の結果、儲けた場合はそれらすべてが自分たち(経営者、従業員、株主等)のもの。そして損失を出してしまっても、その穴埋めは政府(税金)とか国際機関(わが国を含む各国の出資金等)がしてくれるから大丈夫!ということ。

 これぞ「モラル・ハザード」の極み
、ですね・・・。

(続く)


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