庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

労働条件の向上を率先して競う状況を政治的に作り出せ。

2014-03-20 | 経済問題

この20年において、日本の大手企業が非正社員を増やしてきたことが、労働条件の不安定化を招き、消費購買力の低下につながって来た。

正社員の給与を引き上げるだけでなく、この不安定な雇用条件に脅かされる非正社員の待遇改善が必須になっている。

ここにきて、やっと大手の企業でも、非正社員の割合を減らして行く方向になって来た。

本日の新聞報道では、ファーストリテイリング(ユニクロ)が、パート、アルバイト社員を『地域限定の正社員』に切り替える方針を発表している。

 

現在は3万人いる非正社員のうち、1万6千人を地域限定での正社員に登用して、雇用条件を安定させることで、事業に貢献してもらう方向に転じた。

これからは、優秀な人材が定着して働いてもらうために、転勤をしないで生活を安定させて、地域に密着出来る様にする。

今までの様に、企業の都合ばかりを優先して、従業員の生活の安定感を損なう様な働かせ方では、企業にとっても不安定の要因になるからである。

しかし、地域限定正社員の給与は、正社員の8割程度の低さで、これからはこの格差を縮小して行くべきである。

 

今までは、政府が企業の国際競争力を重要視して、企業が人件費の抑制を図り易い制度を広げてきてしまった。

その最たる例は、非正社員の割合の大幅増加であり、ユニクロでは企業の規模拡大とともに、社員数は33400人に増えた時点での非正社員割合は、90%にも達していた。

これが、今回の地域限定正社員化によって、非正社員の割合は42%に下がる。

大企業の社会的責任として、労働分配率を一定以上に向上させると同時に、正社員の割合を6割以上にする義務付け制度も必要になるだろう。

 

その上で、まずは一部上場企業には、この社会的に重要な労働条件を、常に国民の目に触れる様に公表することで、大企業の経営責任を競わせるのだ。

20世紀の企業活動では、売上高、利益率、株価、などの経営上の数値を競うことで、経営者の評価がされていたが、21世紀は、それよりも働く人への利益の配分を高く維持する企業経営が、望まれる時代である。

一企業の利益を優先するのではなく、日本全体、地域経済を活性化するための経営責任を最前面に出して、企業経営者の手腕を競わせる時代にするのだ。


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