自動車の排気ガスを人の健康を損なわないレベルに浄化することは、今の時代には当たり前のことである。
しかしながら、1970年代に当時には、トラックの排気ガスを浄化する技術は不完全であり、技術レベルも量産には不適であった。
そこでトラック業界は、乗用車業界とは別に廃棄ガス規制の先延ばしを図り、健康被害が明らかであっても、産業の担い手であるとの理由で、そのまま量産を続けていた。
欧州では、技術進歩が進んで、排気ガスレベルの浄化が可能な技術が量産化されても、商品価格が上昇するとの利用で、導入をしなかった。
ついに1990年代になって、乗用車に遅れること20年以上も過ぎてから、排気ガス浄化装置を適用した商品を消費者供給した。
トラックの市販価格は上昇しても、燃費が良くなり、品質と性能も向上したので、消費者にはメリット多かった。
しかし、導入を先送りしたツケが、トラック業界の世界での実績は大きく遅れて、経済的なメリットは業界にはもたらされなかった。
日本政府が規制の強化を先延ばしした分だけ、技術進歩と経済メリットが損なわれた実例である。
同様のことが、温室効果ガス削減の効果のある「再生可能エネルギーの普及」においても、2000年代初頭に失敗をくり返している。
規制を緩くしたために、世界の産業界から大きく遅れてしまった。