消費税増税の路線は、アベノミクスの失敗によって完全に【実施する時期を先延ばし】せざるを得ない状況になっている。
しかし、増税を延期すれば【社会保障関連に投入する財源が不足】し、【待機児童問題】の解消がますます財源不足で、先送りになってしまう。
そこで、欧州各国ですでに充実している「炭素税の税率」のレベルに増額して、化石燃料の削減のインセンティブを強化した上に、福祉関連に回すのである。
現在の負担は世帯当たりで1200円/年であるが、2017年度から毎年1000円程度の引上げを検討し、経済状況への影響を起こさないレベルまでに引上げる。
石炭にかかる「炭素税率」が一番高いので、石炭消費の多い分野の製品には、コストアップになるが、影響はごくわずかで済む。
石油系の価格が若干上がるが、自動車などでは年々「燃料消費率の良い製品」が続々と発売されているので、燃費の良い新車や中古車への買い替え動機が増える。
電気料金にもわずかだが影響があるので、「新電力への切り替え」の検討すすみ、新規事業者の顧客獲得が活発化するだろう。
停滞気味の消費活動に、「省エネルギー」の動機による新商品へ関心が高まり、照明器具分野では「LED照明器具」への需要が増加される。
この様に「炭素税の強化」は、経済活動に刺激を与えて、消費を活性化する効果がある上に、技術革新への投資を一層拡大する方向にもなる。
将来的には化石燃料の削減が必須であるから、代替となる「再生可能エネルギー分野の研究開発段階」を、各企業が競って最大限の力を入れる経営方針となる。
企業によっては新人材を募集して、将来的な製品開発に当たらせるだろう。
「炭素税の増額効果」は、間違いなく経済活動の活性化する方向にもなるのだ。
それでも、増税は必ず「一番弱いものに影響がでる」のは否定できないので、弱者対策が必要であろう。
いの一番には、待機児童問題での原因となっている「保育士の給与待遇」の改善策が最優先されて対策を講じる。
増税による税金の使い先が、国民の見える方向に確実にまわるならば、反対する人はごくわずかになって、与野党ともに「炭素税増額」に賛成する筈だ。
消費増税の効果は財源が増えることに狙いがあるが、安倍政権は盛んに【税収が減ってしまっては元も子もない】と牽制して、増税延期の理由にしている。
消費税には、最大の影響をうける「低所得者層の消費活動」に悪影響を与えて。節約志向を加速する。
全体的に消費活動を抑える影響は「先の5%から8%への引上げ」の実績からも、経済活動にブレーキをかける効果が最大限であろう。
「炭素税の増額」では、ブレーキがかかるのは一部で、あとは恩恵の方が多い。(続)