庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

多くの人材を育てるには具体的な戦略目標設定が始まり。

2014-07-24 | 快適エネルギー社会問題

国家の戦略目標に掲げて継続的にチャレンジを推奨することが、若手の人材を結集する誘因となるのは、自明のことである。

日本は長い間、エネルギーの戦略目標を、国内で自給できることを目指してきたが、その手段を原子力エネルギーに依存する選択をしてしまった。

この選択が大きな誤りであったことが、2011年3月11日を境にして、明確になったのだが、それを認めたくない勢力がいまだに多く残存している。

国内での自給化できるエネルギーは、いまでは『再生可能エネルギー』の普及拡大に転換することで、実現への道を踏み出すことができるのだ。

 

ところが、安倍政権のエネルギー戦略には、長期的な展望に立った戦略目標が全く欠如している。

先月に策定して「エネルギー基本計画」では、原子力依存の姿勢を残したままで、石炭火力発電の復権を図る様な内容である。

これでは、『再生可能エネルギーの促進政策と普及目標』は、まったく曖昧なままの放置されたも同然で、民間企業の投資意欲を損なう戦略でしかない。

2000年代初頭に、旧時代産業の代表である経団連や経済界の意見を重視して、原子力産業を中軸とした戦略に偏ったために、「再生可能エネルギー」への研究開発投資が縮小して、欧米、中国に大きく後れを採った失策の二の舞である。

 

この「エネルギー基本計画」は社会からも、経済界からも全く評価されないで、慌てて年末までに「再生可能電力の普及目標」を策定すると言い訳している。

それは後追いにしても、とにかくやるべきことだが、大問題は『電力以外のエネルギーの代替戦略』が空白状態のままの現実である。

電力以外の輸送用燃料、暖房用燃料、工場の熱エネルギー燃料が、すべて化石燃料に依存したままの戦略となっている。

世界的に台頭している「天然ガスエネルギー」への手当をする程度にすぎない。

 

これでは、民間企業の将来事業への重点課題が不明確なままであり、公的組織の研究目標も従来の延長で、惰性的な研究に留まってしまう。

『再生可能エネルギーの燃料分野』の長期目標を策定して、基礎研究の段階のものから、実用化寸前の商業化技術を、戦略的に育成しなければならない。

その目標と時間軸を想定して、エネルギー転換の骨子を策定すれば、企業も公的組織も、人材の投入と研究資金の計画を立てられる様になる。

安倍政権は、この様な基本的な分野には、まったく素人同然のテイタラクだ。


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