安倍政権の「アベノミクスの3本の矢」では、超金融緩和の円安誘導策だけが、一定の成果を引き出した。
つまり、為替相場を円安誘導したので、輸出企業の価格競争力が有利となって、輸出量が増加して、企業の利益は大幅に増大した。
これは、企業努力は何もしなくても、政府の誘導策で利益が出るから、生産性、向上への努力と投資に注力しなくても、実績が出る。
結局、投資不足、消費購買力不足を起こすだけで、デフレ経済の根本原因の対策にはなっていない。
その上、イノベーションとしても、政府の目標とする達成への誘導政策が不明で、技術革新の投資をするか、経営者の判断を迷わせる。
これでは、儲けた利益の大半を、将来のリスクに備えて、「企業の内部留保資金」に蓄えておくのが得策になる。
しかしこれは、日本国内での産業政策の範囲では【内部留保が選択肢】であっても、世界の潮流を見ていけば、多くの分野では、技術革新の競争は、激化する一方であることは自明である。
日本国内での投資をしない選択肢はあっても、世界レベルでの技術革新への投資は、様子見をしている段階ではない。
液晶技術の革新への投資を決断できずに、世界の競争から無残にも脱落したのは、政府と経営者の判断の甘さにある。
他の技術革新分野で、様子見をしているようでは、脱落は間違いなし。