雇用を生み出す政策を、アメリカでは失敗したために、新自由主義経済学は「大きな誤りによって理論的に駆逐された」。
それでも、日本では未だに自由貿易協定を信仰して、「TPP」のような多国間の協定で「さらに貿易自由化が経済を発展させる」との論理を言い張る。
同様に貿易の自由化だけでは、まだ経済発展を阻害しているとの理屈で、人の移動に自由化をさらに進めた「欧州連合EU」では状況がさらに複雑である。
ドイツのように大きな恩恵を受けた国と、新規加盟国の労働者の移民先が増加したメリットが効果としてうまれた。
しかし、中間的なイタリア、スペインのような、労働者の低賃金化だけが進み、国内経済が被害を受けた国も多数存在する。
しかも、フランス、スペインでは、若年層の失業率が20%以上も続き、政府の怠慢もあって若者たちの間では政府不信が増大して爆発寸前である。
このような、不満の蓄積が【過激なテロ行為を正当化】する不満分子の出現を、加速する不安定社会を生み出している。
好調な経済を続けるドイツと、低賃金国の経済成長によって、全体的な経済成長率の数値は維持しているが、不満のある国、階層が、増大する一途である。
「人の移動・ものの移動・お金の移動」を、自由化することが経済発展に繋がるという論理は、実績としては「明らかな誤りを実証」に近づいている。
イギリスはそれを見越して、「移民の自由化」から一番に離脱した。
日本の政策では、人の移動の自由化はもっとも遅らせている実勢である。
移民の審査は厳しくして、世界の先進国では圧倒的に少ない。
これが正しい方針であるかは、議論の余地が大きいが、移民の自由化による低賃金化を抑止してきたことは事実である。
もし、欧州のように自由な移民を受け入れていたら、日本経済はもっと【ひどいデフレ状態】に陥っていたであろう。
それがなくても、理論的には正しいと勘違いをしてきた「派遣事業企業のサギ行為」によって、【非正規雇用を合法化する悪法】が悲惨な状況に向かわせていた。
破壊的になる寸前で、安倍政権は「同一労働同一賃金」に取り組んでいる。
ものの移動の自由化と、人の移動の自由化(移民政策)は、国益の最重要課題である「雇用の確保方針」と、「低賃金化の歯止め」を絶対の条件とすべきだ。
それができない段階で、自由貿易が経済発展させるなど、「乱暴な論理」を振り回している「似非経済学者」は、社会から放逐すべきだ。
今までの経済論だけを、アメリカ製の【新自由主義経済学】の「輸入学問」で、職場を得ていた輩は、失職して当然の扱いである。
ソ連の冷戦の論理を支えていた「共産主義経済学」や、中国政府の「毛沢東経済学」と同じように、社会を不安定にして不幸をもたらす「悪い学問」である。