将来の化石燃料に頼らない社会を実現するために、2000年代を通じて研究開発されてきた、燃料電池自動車の普及課題がある。
近年はバスや貨物自動車にも用途を拡大する流れで、国の重要な施策であるが、杜撰な計画が多い。
杜撰な政策官庁である経済産業省の肝入りであるが、燃料とする水素の製造においては、今の段階では、化石燃料から製造している場合が多い。
それは、研究開発と普及の途中段階では、ある程度は止むを得ない状況であるが、国民の税金を投入して実施する事業であるから、説明が必須である。
経済産業省では、燃料電池自動車の普及の地ならしとして、全国に130箇所以上の水素ステーションを設置する事業の補助金を投入してきた。
その謳い文句は、水素は将来は再生可能エネルギー電力による水の電気分解で製造するから、燃料電池車のCO2排出はゼロになる。
しかし、2019年3月時点でも、ほとんどの水素ステーションでは、化石燃料から作られた水素を供給しているので、この説明は誤解を生み出している。
燃料電池車を購入した人は、この水素燃料を利用して、化石燃料から作られた水素を充填して走行するのは、ガソリン車となんら変わらない排ガスだ。
環境省が支援した水素ステーションでは、「再生可能エネルギーだけの電力で製造した水素だけを供給する」と公的には説明して、補助金を交付した。
しかし、大半は一般の電力で作られた偽物エコ水素であった。
このような誤魔化しだらけのエコ事業に、国民の税金を使うのはご法度だ。