庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国民はメディアの怠慢によって本当の選択をできない。

2012-12-15 | 核エネルギー・原子力問題
原子力発電所を持った国が現実の戦場になった事態はないので、原発への攻撃がどの様な被害をもたらすかは、誰も正確には説明出来ない。
しかし、容易に想像が出来る範囲でも、原発から人が立ち退くことを余儀なくされたら、冷却不能になって「福島原発事故の炉心溶融」を起こすだろう。
原発は攻撃には一番弱い施設であって、好戦的な国が持つことは『全く愚かな選択』なのである。
対外国に対して、声高に交戦権を主張する様なリーダーは、決して「原発を保持する」ことは選択しない。

その一方で、エネルギー供給を中東の危険地帯に依存している日本の現状では、
化石燃料に多くの依存をするリスクも非常に高いのだ。
もし、中東でのイランとイスラエルの紛争が拡大すれば、日本の生命線を維持する石油と天然ガスの輸送船が通行できなくなり、確実にエネルギー危機を引き起こすのだ。
特に原発の再稼働停止により、天然ガス火力発電所はフル稼働の状態にある。
このままでは天然ガスの輸入が停止すると、一カ月以内に、天然ガス不足になり、発電所を停止しなければならない。

その時点において、原発の再稼働が可能になっていれば、不足の電力を補うためには、地元の了解を得て「原発の再稼働」は、許容されるだろう。
つまり、天然ガス発電所のピンチヒッター電力として、いつでも再稼働出来る状態に、原発をベンチに待機させておくことが、当面の安心策である。
しかし、昨日のブログに書いた様に、原発は可能な限り早期に廃炉作業を完了しておくことが、最悪の事態を避ける上で必須である。

この化石燃料の輸入途絶のリスクと、原発へのテロ攻撃リスクと、両方を慎重に検討しながら、『脱原発、卒原発の実行』を進めるのが本来の重要課題だ。

3年間は日和見で、10年後のエネルギーベストミックスを【官僚に作成してもらう】公約の自民党は、この様な安全上の最悪時の想定をしているのか。
この様なリスクも、外務省と防衛省と経済産業省の官僚に検討を依存して、様子見をしながら決めて行くのが、二世議員の集まりの習性ならば、仕方がない。
それを選択した国民の責任に、最終的には回って行くのだから、民主主義の必然であろう。

この様な重要なリスク判断の決め手を、マスメディアは国民に説明していない。

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