自由貿易を最終目標として、グローバル化経済を推進すれば、人件費が安い、かつ土地代やエネルギー費用の有利な国に移転する。
製造業は、その運命に置かれているから、技術力の低いレベルの商品から海外移転が進み、製造業の空洞化は進展する。
ついには、高レベルの技術を必要とする自動車製造業でも、海外移転が進展して、先進国の雇用維持が困難となり、消費不足を引き起こす。
これが、先進国経済の停滞を招き、一部のハイテク業界や、金融業だけが利益を貪るようになって、高額な報酬制度が横行する。
こうして、先進国経済は貧富の格差が異常に拡大する不健全な社会的不安を増大させてしまう。
トランプ大統領は、この自由貿易体制への移行を、悪の陰謀とみなして、アメリカ第一主義の象徴として、製造業の復活と雇用創出を政権の最大公約としてきた。
北米自由貿易協定NAFTA.大改訂を強引に進めて、メキシコとカナダからの、自動車輸入を制限した。
自由貿易経済至上主義論者は、消費者の購入に不利になると批判するが、トランプ大統領は、製造業の雇用維持確保を重視している。
自動車が少し安く買えることよりも、アメリカ国内の労働者の雇用確保と賃金水準の一定以上のレベルが、アメリカ第一には不可欠なのだ。