猛暑の夏場を快適に過ごす手段には、多大の電力を消費する機器の稼働が必要になり、その電力を供給には安心できる発電設備が望まれる。
しかし、電力業界の欺瞞な体質によって、原発の電力はすっかり「不快電力」として、日本中に浸透してしまった。
8月11日をもって、原発ゼロの社会に実現から遠ざかり、【電力エネルギーの消費には罪悪感】が付きまとう社会環境になってしまう。
安倍政権は、電力エネルギーの「高付加価値化」から、離れていく「エネルギー政策」を掲げて、経済再生の道から逆方向に進みだしてしまった。
この2年間は、国民の7割が要望する「脱原発依存社会」を経験した。
化石燃料の消費量は一時的に急増したが、「脱化石燃料社会」の必要性も高まり、省エネルギー化と「再生可能エネルギー普及」の要望が前向きの活動になった。
一部では、「再生可能エネルギー関連」の業界は、活況に沸いて経済活性化に貢献する「新産業の重要性」を、改めて経済界の関係者の認識を強めた。
つまり、経済の活性化には、国民が期待する「高付加価値商品」の普及促進が大きな効果を発揮することを知らしめた。
旧時代の産業を下支えする様な政策は効果が無い上に、新産業の出番を抑えてしまう逆効果が顕著になる。
「原発再稼働」の影響で、【電力の価値の低下】が心理的に浸透して、節電と我慢の潮流が深まるだろう。
これは、間違いなく需要の減退につながり、連鎖反応で新産業分野の「高付加価値化」にもブレーキをかける悪影響がでる。
原発の再稼働によってメリットを受けるのは、九州電力と地元の原発関連事業での恩恵を受ける業者たちだけである。
では、原発再稼働の推進を決めた「安倍政権」の関係者は、いったい、どの様なメリットを期待していたのか。
化石燃料の消費量がわずかだが減少するが、日本全体が省エネルギー化で、減少している潮流にまぎれてしまうだろう。
九州電力管内では、「再生可能電力」の新規投資の機運が削がれる分は、確実に経済活動にブレーキとなるだろう。
そして、【不快電力の重し】によって、景気回復の方向から心理的に「消費活動の抑制」に移行し、「快適なエネルギー消費生活」は、さらに遠のくのだ。(続)