日本の将来は「政治家の能力レベル」を引き上げることが必須である。
経済成長を目指す政策は、20世紀的なやり方では【国民の所得格差を拡大】するばかりで、消費購買力が低下し続ける。
この経済成長路線を続けては、いつまでたってもデフレ傾向を転換できない。
アベノミクスの政策の失敗が、「典型的20世紀型経済刺激策」が通用しないこと証明されている。
優先的に大企業の利益を増加させれば、徐々に中堅企業、下請けの中小企業の活動が活発になって全体的に経済の波及効果が期待出来る、というのは通用しない。
このように、大企業優先の考え方が染み込んでいる政治家集団が、「自民党に所属して政権与党」を形成して、お友達同士で間違ったことを認めようとしない。
マスメディアは、当初の円安誘導と株高政策にだまされて、「アベノミクス礼賛者」が世論を誘導したので、いまさら、ダメ出しもできないでウヤムヤにしている。
グローバル化が進みだした時期に、国際競争力の維持が大義名分となって、賃金の抑制や【非正規雇用の規制緩和】に賛同して、賃金水準の低下を礼賛した。
「価格破壊」と賛辞を送る無能ぶりを、メディアの論調がひろめてしまった。
低価格路線の経営者側を【勝ち組と称えてを誉めそやす傾向】が、さらに【労働ダンピング】に拍車をかけてしまったのだ。
ついに、「最低保証賃金の水準」は先進国では最低レベルになり、いまだに「時給1000円のレベル」すら、達成できない。
あまりに賃金水準の低い「ワーキングプワー」が増加してしまったのに、有効な対策がおざなりにされていた。
民主党は政権交代選挙の公約では、「時給1000円のレベルを目指します」と明確に掲げていたのに、政権を追放されると、2014年12月の衆議院選挙では、「中小企業に対する支援を行いつつ最低賃金を引上げていきます。」と逃げてしまった。自民党の政権公約には、最低賃金の引上げには関心すらないままに3年間を無為に過ごし、2016年の所信表明演説でやっと1000円を目指すと言及した。
このように「国民生活の最低保障の責任」において、政府の役割が必須であるのに、「生産者側の収益」を優先する20世紀の思考に縛られていたのである。
生産側を重要視して、供給を充実すれば「経済成長が活性化」するのは、20世紀の供給不足時代の認識である。
1990年までの「バブル経済全盛時」には、供給過剰に達して状況で【バブル経済が崩壊した】段階で、【需要不足経済時代】に突入したのである。
この時期に経済成長が鈍化して、大企業側の経営方針は「海外への市場開拓」に重点が移っていった。
国内での需要不足の慢性化により、企業側の新規投資は海外向けになる。
この段階で、国内の消費購買力を高める政策が必須なのに、何もしなかった。(続)