庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

成長戦略を大企業の優遇でしか理解できない世襲政治家。

2012-12-22 | 経済問題
日本の再活性化に向けての最重要政策は、『国富を生みだす成長戦略』であることは間違いない。
ところが、安倍総裁は【3本の矢】のたとえを持ち出して、『成長戦略』を【金融政策】【財政政策】と同列に論じ、いや、三番目につけ足しの様に「中身が無い従来の路線」をあげているだけに留まる。

民主党の成長戦略も、中身は曖昧なままに3年以上も経過したが、最後は、成長させるべき新産業分野をあげて、重点的に予算配分をするとした。
遅きに失した感があるが、自民党の【土建国家戦略】よりもずっとマシである。

自民党は野党に転落した後の3年間を、選挙対策に力を入れてきたが、政権を奪還した後の、『日本の国創り・成長戦略』は、議論もしないで過ごしてきた。
いざ政権奪還が出来て、初めて「成長戦略」を作る必要に迫られている。
日本のインフラの老朽化と災害対策を強化する「土建国家路線」に、10年間で200兆円を投じる「景気対策」はブチ上げている。
しかし、これらの国家投資は『新産業を生み出す』分野に回ることはない。

新産業を生み出す新技術とベンチャー事業は、多くの優れた人材を投入し、長年に渡る継続的な取り組みが必要である。
新産業を育成するには、研究開発投資を増大する必要があることは間違いない。

そこで自民党は、企業の研究開発に投下した金額分を、企業減税することで検討を開始した。
法人税が各国に比べて割高であるコトの対策を兼ねているが、これでは『本当の新技術、ベンチャー事業』には、おカネが回ることはほとんどない。
大企業自体は、ベンチャー事業などには手を出さないで、既存の事業の延長上の改善対策に、取り組むことが優先されるからである。

新技術や常識を越えた「ベンチャー事業」は、本流の事業からは産まれない。
既存の技術の枠を超えたり、新規事業の発想は、現在の本流を否定することから始まるのは、よく知られた事実である。
だが、これでは失敗する事例が多いので、中央官僚が理解できる範囲の技術にしか、政府のおカネが回らないのだ。
まして、収益性を常に評価される大企業経営者が、たとえ減税の対象となるにしても、リスクの多い事業には、手を出さない分野なのだ。

「お膳立てができた政策に乗る」しか出来ない世襲政治家の理解の限界である。

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