日本は高度経済成長期を通じて、集中化によるメリットを追求して、技術進歩を果たしてきた。
また、集中化ばかりでは、地域によっての違いに対応できる施策が、適切に行われない場合も、往々にして発生するので、分散化も追求してきた。
ところが、経済成長の成果が最高潮に達した時期に、土地バブルの発生によって、分散化した地方振興が破綻したために、集中化が残ってしまった。
その後は、東京一極集中によるメリットばかりを追求してきたために、地方経済の停滞と人口流出によって、ますます大都市化が進んでいった。
途中から、地方分権や地域主権の掛け声が起きたが、どれも中途半端な政策にとどまって、地方と大都市部の格差が拡大してしまった。
2009年のリーマンショック以後は、金融業界の大規模化に制限を課すようになり、分散化によるリスク回避の流れが始まっている。
電力エネルギーでも、大電力会社に独占させてきた、発電、送電、売電の事業を分離独立として、特に、発電の自由化、分散化を進めた。
今は送電事業だけは集中管理のメリットもあるから、電力小売と発電事業の分散化が進行中である。
鉄道事業の分散化は、国鉄解体による分割民営化が成功している。
情報産業の分野も、寡占の状態を打破する動きが支持されている。
まだまだ、集中化のデメリットを転換する事業分野が残り、基本に戻って、再構築を図り、分散化と集中化のバランスを探る時期である。