庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

原発をどうしても維持したい理由はいったいなんなのか。

2013-05-19 | 経済問題
日本の原発は3・11までは、全54基が稼働していたことになっている。
2012年の夏場前には、電力が不足すると大騒ぎになり、遂に関西電力の大飯原発の2基が、安全性の保証もないのに、再稼働を容認して不足状態を回避した。
それまでは、原発が全部止まると、日本中が停電になるぞ、と電力会社は脅しともいえる警告を発していた。
夏場を越すと、大飯原発2基の再稼働がなくても、電力は足りた状態であった。

それでも、原発の再稼働抜きには、日本経済は成り立たない。と言い張る陣営は、今度は別の理由を言いだしてきた。
原発を動かさないと、燃料費の増加による、電力代の値上げによって、日本の製造業は競争力がなくなり、海外に移転せざるを得なくなる。
だから「安全審査はソコソコにして早く再稼働すべきだ」と、安全よりも日本経済が大事だというのである。
それでも、金融の超緩和による円安誘導によって、化石燃料代が上がった状況には、何の説明もないまま、ダンマリを決め込んでいる。
電力代の値上がりによる経済への悪影響を言うなら、円安誘導によるデメリットを、国民、産業界に説明するのが当然であろう。

それよりも、原発を再稼働しないままで【廃炉にせざるを得なくなった段階】では、原発を建設した時の投資を回収できていない金額は、電力会社の損失になることを、はっきりと電力消費者に説明すべきである。
また、最終的には【廃炉処理する費用】を原発の稼働期間で、順次積立によって、廃炉費用の発生する時点では、不足がない様にしているが、稼働期間が40年に達しないで廃炉になると、不足する費用は電力会社の損失になる。
この費用を今すぐに、原発をゼロにした場合は、4.4兆円に達する。
この損失によって、東京電力、東北電力、北海道電力は債務超過に陥る。

この損失を世の中に明らかにして、電力会社の倒産を防ぐのが、原発再稼働を急ぐ理由だと、自民党政権は明確に説明する責任がある。
電力会社を守る方法はいくらでもあるが、原発の安全審査をソコソコにして、とにかく電力会社の破綻を防ぐのが、日本経済にとって優先すると言うのだ。

このことをハッキリと言わないで、「電力が不足するから」とか、「電気料金があがるから」などと、国民に不安を引き起こす様な説明ばかりをしてきた。
本当の理由を国民に説明すれば、もっと、まともな議論が進むはずなのに・・・。

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