北朝鮮があれだけこだわって、国運をかけて開発してきた「核兵器と長距離ミサイルの開発」は、アメリカと直接交渉するためだった。
完成まじかの段階で経済制裁の強化を強いられて、中国の習近平政権が、国連の制裁決議に賛成したのは、大きな誤算であった。
そこで、金正恩は政権の維持と国の体制保証と引き換えに、アメリカとの直接交渉である「米朝首脳会談」の申し入れを実行した。
核武装と長距離ミサイルの完全放棄を前提とした北朝鮮の方針転換は、多くの予想を覆したが、トランプ大統領は即座に受託して驚かせた。
首脳会談を開催するならば、確実な核武装の完全放棄を確約させて、実績としなければトランプ大統領の再選の芽がなくなる。
金正恩委員長としても、首脳会談の申入れを即座に受託される成果を、確実にするためには、トランプ氏の決断を引き出す覚悟である。
トランプ大統領は、軍事攻撃も辞さない覚悟を示すことが、北朝鮮からの最大の譲歩を獲得する戦術となる。
そこで、イスラエルでのアメリカ大使館のエルサレム移転の実行をして、中東周辺諸国へのアメリカの実行力を見せつけた。
さらにイランとの核兵器協定を、ミサイルの放棄まで拡充する主張を展開して、イランが応じないと見れば、すぐに協定を破棄した。
もう米朝首脳会談を、成功裏に終わるしか、両首脳の選択肢はない。