06:20 from web
RT @hori_shigeki: 「一億総中流」がある程度現実で、国民経済が右肩上がりだった時代は、高等教育の家計負担が日本のように重くても、さほどの教育格差は生じなかったと言えるかも。しかし、経済格差が拡大した今、教育への公的支出をバラマキなどと貶していたら、深刻な教 ...
06:20 from web
RT @hori_shigeki: 「自助努力」等の決まり文句を振り回して、教育へのアクセスの不平等の是正を目的とする公的支出を貶す輩に問いたい。親の経済状態が芳しくないという理由で、学ぶ喜びという、人間にとってエッセンシャルな喜びを享受することを妨げられる子供の前で平気 ...
06:20 from web
RT @hori_shigeki: 結局、経済は、人類の生活の本当の下部構造じゃない。経済より、社会文化のほうが下部構造なのであり、教育こそが基礎なのだ…。センさんも、トッドさんも、異口同音にそう言っている。実際、そう考えるほうが、納得できることが多い。
08:22 from web
ピノ財団によるプンタ・デラ・ドガーナ美術館を鑑賞した。Sigmar Polke、Roni Horn、Chen Zhenが良かった。しかし、コレクションを見ていた矢先、ふと頭に浮かんでしまったのは、Jenny Holzerの「MONEY CREATES TASTE」だった。
08:24 from web
Chen Zhenの「Chrystal Landscape of Inner Body」は素晴らしい作品。作品、その成立経緯、タイトルのどれを取っても、素晴らしい。
http://t.co/BO2dfXsi
08:45 from web
ヨーロッパが政治統合するよりも先に経済統合を目指してしまった、という間違いが生んだ大きなツケと、ギリシャやイタリア国債などを先物で売り崩し、国家破綻させることで利益を得るクレジット・デフォルト・スワップという虎の子の存在は、表裏一体の様に感じられる。
08:46 from web
仮にアメリカのシティ系ヘッジファンドが、クレジット・デフォルト・スワップを使って利益を得る為に、シティ系のS&Pを通じてアメリカ国債の格下げを行ったとしたのなら、これはもうオイディプス的な世界としか言いようが無い。いくらなんでも、ひどすぎる。
08:47 from web
市場と異なり、デモクラシーが国境を超えることができないのは何故か?これは、TPP問題に意識の高い日本人がナショナリストを自称せざるを得なくなるのと同様、現行の民主主義が抱えた構造的な問題だと思う。
08:49 from web
利己的なものは利他的になると考える右派と、利他的なものは利己的になると考える左派は、TPPなどに関しては、国益という視点から国内における合一点を見いだすことができる。しかし国境を超えたデモクラシーを実現する為には、まずはこの思想を一段メタレベルに引き上げて俯瞰する必要がある。
17:20 from web
連続ツイート「ベニスにて考えるベニスの商人」
17:20 from web
(べ商1)私は以前から、何故シェークスピアが「ベニスの商人」という喜劇を書くことができたのか、そしてその作品は果たして正しく受け止められているのかどうかに興味があった。ベニスを訪れた際には、ぜひこの喜劇の舞台となったユダヤ人街を訪れたいと考えていた。
17:21 from web
(べ商2)ベニスの狭い一角にあるユダヤ人ゲットーには、極めて限られた地域に5000人もの人が人が住んでいたと言う。ユダヤ人には居住や移動の自由が認められなかった為、彼らは限られたゲットーの敷地に天井の低い8階建ての「摩天楼」を建てては、ぎゅうぎゅう積めにして生活していたと言う。
17:21 from web
(べ商3)スラム街を指すゲットーという言葉は、ベニスのユダヤ人街があったイタリア語のgeto(鋳造所)から生まれている。ドイツ語を母国語とするアシュケナジたちはイタリア語でジェトーと発音できずにゲットーとドイツ風に発音し、それが英語に取り入れられてスラム街を意味する言葉になった。
17:22 from web
(べ商4)1382年にユダヤ人による金融業が認められ、現在に至る金融のグローバル化への契機となった。また1492年のレコンキスタ完了後の1541年より、イベリア半島にて信仰の自由を奪われ、ギリシャとスロベニアに避難していたセファルディム系ユダヤ人たちの居住が認められる様になった。
17:23 from web
(べ商5)ヘンリー8世がイングランド教会のトップに君臨したのが1534年、バスク系ユダヤ人の背景を持つザビエルがベニスにてイエズス会の聖職者として任命されたのが1537年、さらにセファルディムのルーツを持つスピノザが1632年にアムステルダムに生まれたことなどを考えると興味深い。
17:24 from web
(べ商6)またセファルディムは、イベリア半島からやって来た西方系のPonentini(=西)と東方系(Levantine=東)に分かれるという。金融関係者の多くはセファルディムで、ベニスのユダヤ人社会は豊かなセファルディムと貧しい労働者であるアシュケナジとの間で階層化したと言う。
17:25 from web
(べ商7)またドイツ出身者、フランス出身者、そしてイタリア出身者と分離・階層化したのユダヤ人は、5つの異なるシナゴーグを持っていた。禁止されているはずの偶像や大理石が使われていたり、教会様式であるキューポラやステンドグラスが用いられていたりと、かなり混ぜこぜの様式だった。
17:25 from web
(べ商8)ユダヤ人たちは、当時はまだキリスト教徒たちには許されていなかった金融業を始め、キリスト教徒たちに金を貸していた。しかし当時はユダヤ人に対する基本的人権が確保されていなかった為、貸したお金をキリスト教徒に踏み倒されるということは日常茶飯事だったと言う。
17:26 from web
(べ商9)シェークスピアの「ベニスの商人」とは、キリスト教徒に貸したお金を踏み倒されそうになっているユダヤ人シャイロックが法律を持って戦う喜劇である。シャイロックが、私もキリスト教徒と同じ一人の人間なのだ、と話す部分は、感動的ですらある。http://t.co/WBtLnnh9
17:27 from web
(べ商10)「ベニスの商人」という喜劇は、ユダヤ人の金貸しに対する批判にフォーカスがあるのではなく、もっと豊かな意味を持っている。だからこそ、ハイネが伝える様に、「ベニスの商人」を鑑賞したドイツの貴婦人が、シャイロックの言葉に同情して涙を流し得たのだろう。
17:27 from web
(べ商11)シェークスピアがこういったテーマを同時代に扱うことができたのは、イギリスがローマから分離して国教会を立ち上げ、聖書の英訳を行ったことが大きいと考えられる。そこで宗教・言語的に新たなコンテクストが生まれ、同時代のベニスにおけるユダヤ人を照射することが可能になった。
17:28 from web
(べ商12)ベニスのユダヤ人コミュニティは第二次世界大戦中、ナチスドイツの特種部隊などにより消させられてしてしまった過去がある。その歴史を踏まえつつ、私達が作って行く21世紀という時代に、金融や宗教を乗り越える新たな哲学や美学の文法を確立できないか、とぼんやりと考えている。
17:28 from web
以上、連続ツイート「ベニスにて考えるベニスの商人」でした。最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
by curatorshinya on Twitter
RT @hori_shigeki: 「一億総中流」がある程度現実で、国民経済が右肩上がりだった時代は、高等教育の家計負担が日本のように重くても、さほどの教育格差は生じなかったと言えるかも。しかし、経済格差が拡大した今、教育への公的支出をバラマキなどと貶していたら、深刻な教 ...
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RT @hori_shigeki: 「自助努力」等の決まり文句を振り回して、教育へのアクセスの不平等の是正を目的とする公的支出を貶す輩に問いたい。親の経済状態が芳しくないという理由で、学ぶ喜びという、人間にとってエッセンシャルな喜びを享受することを妨げられる子供の前で平気 ...
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RT @hori_shigeki: 結局、経済は、人類の生活の本当の下部構造じゃない。経済より、社会文化のほうが下部構造なのであり、教育こそが基礎なのだ…。センさんも、トッドさんも、異口同音にそう言っている。実際、そう考えるほうが、納得できることが多い。
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ピノ財団によるプンタ・デラ・ドガーナ美術館を鑑賞した。Sigmar Polke、Roni Horn、Chen Zhenが良かった。しかし、コレクションを見ていた矢先、ふと頭に浮かんでしまったのは、Jenny Holzerの「MONEY CREATES TASTE」だった。
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Chen Zhenの「Chrystal Landscape of Inner Body」は素晴らしい作品。作品、その成立経緯、タイトルのどれを取っても、素晴らしい。
http://t.co/BO2dfXsi
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ヨーロッパが政治統合するよりも先に経済統合を目指してしまった、という間違いが生んだ大きなツケと、ギリシャやイタリア国債などを先物で売り崩し、国家破綻させることで利益を得るクレジット・デフォルト・スワップという虎の子の存在は、表裏一体の様に感じられる。
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仮にアメリカのシティ系ヘッジファンドが、クレジット・デフォルト・スワップを使って利益を得る為に、シティ系のS&Pを通じてアメリカ国債の格下げを行ったとしたのなら、これはもうオイディプス的な世界としか言いようが無い。いくらなんでも、ひどすぎる。
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市場と異なり、デモクラシーが国境を超えることができないのは何故か?これは、TPP問題に意識の高い日本人がナショナリストを自称せざるを得なくなるのと同様、現行の民主主義が抱えた構造的な問題だと思う。
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利己的なものは利他的になると考える右派と、利他的なものは利己的になると考える左派は、TPPなどに関しては、国益という視点から国内における合一点を見いだすことができる。しかし国境を超えたデモクラシーを実現する為には、まずはこの思想を一段メタレベルに引き上げて俯瞰する必要がある。
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連続ツイート「ベニスにて考えるベニスの商人」
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(べ商1)私は以前から、何故シェークスピアが「ベニスの商人」という喜劇を書くことができたのか、そしてその作品は果たして正しく受け止められているのかどうかに興味があった。ベニスを訪れた際には、ぜひこの喜劇の舞台となったユダヤ人街を訪れたいと考えていた。
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(べ商2)ベニスの狭い一角にあるユダヤ人ゲットーには、極めて限られた地域に5000人もの人が人が住んでいたと言う。ユダヤ人には居住や移動の自由が認められなかった為、彼らは限られたゲットーの敷地に天井の低い8階建ての「摩天楼」を建てては、ぎゅうぎゅう積めにして生活していたと言う。
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(べ商3)スラム街を指すゲットーという言葉は、ベニスのユダヤ人街があったイタリア語のgeto(鋳造所)から生まれている。ドイツ語を母国語とするアシュケナジたちはイタリア語でジェトーと発音できずにゲットーとドイツ風に発音し、それが英語に取り入れられてスラム街を意味する言葉になった。
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(べ商4)1382年にユダヤ人による金融業が認められ、現在に至る金融のグローバル化への契機となった。また1492年のレコンキスタ完了後の1541年より、イベリア半島にて信仰の自由を奪われ、ギリシャとスロベニアに避難していたセファルディム系ユダヤ人たちの居住が認められる様になった。
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(べ商5)ヘンリー8世がイングランド教会のトップに君臨したのが1534年、バスク系ユダヤ人の背景を持つザビエルがベニスにてイエズス会の聖職者として任命されたのが1537年、さらにセファルディムのルーツを持つスピノザが1632年にアムステルダムに生まれたことなどを考えると興味深い。
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(べ商6)またセファルディムは、イベリア半島からやって来た西方系のPonentini(=西)と東方系(Levantine=東)に分かれるという。金融関係者の多くはセファルディムで、ベニスのユダヤ人社会は豊かなセファルディムと貧しい労働者であるアシュケナジとの間で階層化したと言う。
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(べ商7)またドイツ出身者、フランス出身者、そしてイタリア出身者と分離・階層化したのユダヤ人は、5つの異なるシナゴーグを持っていた。禁止されているはずの偶像や大理石が使われていたり、教会様式であるキューポラやステンドグラスが用いられていたりと、かなり混ぜこぜの様式だった。
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(べ商8)ユダヤ人たちは、当時はまだキリスト教徒たちには許されていなかった金融業を始め、キリスト教徒たちに金を貸していた。しかし当時はユダヤ人に対する基本的人権が確保されていなかった為、貸したお金をキリスト教徒に踏み倒されるということは日常茶飯事だったと言う。
17:26 from web
(べ商9)シェークスピアの「ベニスの商人」とは、キリスト教徒に貸したお金を踏み倒されそうになっているユダヤ人シャイロックが法律を持って戦う喜劇である。シャイロックが、私もキリスト教徒と同じ一人の人間なのだ、と話す部分は、感動的ですらある。http://t.co/WBtLnnh9
17:27 from web
(べ商10)「ベニスの商人」という喜劇は、ユダヤ人の金貸しに対する批判にフォーカスがあるのではなく、もっと豊かな意味を持っている。だからこそ、ハイネが伝える様に、「ベニスの商人」を鑑賞したドイツの貴婦人が、シャイロックの言葉に同情して涙を流し得たのだろう。
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(べ商11)シェークスピアがこういったテーマを同時代に扱うことができたのは、イギリスがローマから分離して国教会を立ち上げ、聖書の英訳を行ったことが大きいと考えられる。そこで宗教・言語的に新たなコンテクストが生まれ、同時代のベニスにおけるユダヤ人を照射することが可能になった。
17:28 from web
(べ商12)ベニスのユダヤ人コミュニティは第二次世界大戦中、ナチスドイツの特種部隊などにより消させられてしてしまった過去がある。その歴史を踏まえつつ、私達が作って行く21世紀という時代に、金融や宗教を乗り越える新たな哲学や美学の文法を確立できないか、とぼんやりと考えている。
17:28 from web
以上、連続ツイート「ベニスにて考えるベニスの商人」でした。最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
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