穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

何を今更「善の研究」

2014-05-28 09:18:59 | 書評
OCNブログ人が無くなるそうですね。驚いたな。さてどうするか。11月だそうでそれまでに考えましょう。

驚かせるといえば西田幾多郎「善の研究」が初読です。岩波文庫版でパラパラやっています。大正年間、東大哲学科*の数人が京都大学の西田幾多郎の講義を聴きたくて連袖して京都大学へ転学した事件がありました。私の大叔父がその学生の一人だったわけで、もっと早く読まなければいけなかった訳ですが、どうもタイトルが良くなかった。

「善の研究」なんて若者には苦手ですからな。悪の研究ならきっと読んでいたでしょう。悪の実践なら即飛びついていたことでしょう。

それに科学哲学なんていう「当時の」ゲテモノに飛びついていた私は、ラッセルやウィトゲンシュタインが「たわごとが詰まっている」と悪罵する形而上学などに近づこうという気がしなかった訳です。

* 聞いた話ではっきりと記憶していなかったが一高から京大だったかもしれない。いずれにせよ、当時の進学コースでは異例であったそうです。