う 鵜戸神宮へシャンシャン馬(うどじんぐうへ しゃんしゃんうま)
地元の人々から親しみを込めて「鵜戸さん」と呼ばれている鵜戸神宮は、日南市宮浦地区、日向灘に面した鵜戸崎という岬にある。
規模、知名度ともに宮崎県南屈指の神社で、岬全体が境内になっており、参道を海の方へ下って行くと断崖の海蝕洞の中に朱塗りの本殿が建っている。
ここは縁結び・夫婦和合・子授け・安産などのご利益があるとされ、明治初期頃まで新婚の夫婦がお参りをする風習があった。
花嫁を馬にのせ、花婿が手綱を取り、当時「七浦七峠」と呼ばれた険しい道程を経ての参詣で、馬の首にかけられた鈴の音シャンシャンと鳴ることからこの名がある。
現在では宮崎神宮大祭での「ミス・シャンシャン馬」のイベントなどで、当時の様子をうかがうことができる。
道路が整備されて後、昭和40年代に宮崎が新婚旅行ブームで賑わった時代に鵜戸神宮参拝が欠かせなかったも、同様の思いからだったのだろう。
もちろん今も全国から観光客が大勢訪れる人気の観光スポットである。
ことにお正月には海からの初日の出が見られることもあり、多くの人たちが初詣でに訪れる。
折りしも今日は大晦日、深夜から明朝にかけてさぞ賑わうことだろう。
また、そこでお奨めしたいのが「運玉投げ」。
本殿そばの欄干から、前方にある「霊石亀石(れいせきかめいし)」の窪みに「運玉」を投げ入れることで願いがかなうと言われ、男性は左手、女性は右手で投げるのが決まり。
願いがかなうなら、世界全体が平和な2009年でありますよう。
現代ひむかかるたでは『ね』で詠まれている。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/ne/index.html
神様に舞いを奉納する神楽は全国各地にあるが、神話のふるさと宮崎県はことに多く、県下の約350ヶ所で行われているそうである。
なかでも高千穂神楽は有名で、米良(めら)神楽、椎葉(しいば)神楽とともに国指定重要無形文化財に指定されている。
かるたに詠まれでいる「岩戸」は高千穂町の一地区名で、集落ごとに行われているためこうした呼び方もされる。
現在は観光向けに一年を通して観られるダイジェスト版神楽もあるが、農閑期の11月~2月に一般家庭が神楽宿になって舞われる夜神楽がやはり趣きがある。
農家の座敷に彫物(えりもの)が張られると、そこはたちまち神聖な神庭(こうにわ)に変わり、近在の主婦たちはのり巻きやいなり寿司、お煮しめなどのごちそうを大量にこしらえる。
舞い手は普段農業やお勤めに従事している一般人。そしてこの伝統を受け継ごうとしている子供たちの舞いもある。
内容は、古事記や日本書紀に描かれた岩戸隠れなどの33番から構成され、夕方から夜を徹して舞われる。
さらに興味のある方は以下のサイトへ。
「高千穂の夜神楽」見聞録~高千穂神楽の夜は永く
http://homepage3.nifty.com/muzina-press/kagura/t-kagura.htm
そこには、『神楽は「見世物」ではなく「神事」である。見物人は「賓客」ではなく「参列者」である』と記してある。
ちなみに現代ひむかかるたでは『よ』で詠まれている。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/yo/index.html
神楽舞い
彫物
先日炬燵が突然点かなくなった。
エアコンがあるにしても、寄りかかる暖かさの炬燵もやはり欠かせない。
スイッチをいじってみたり、ヒーターの埃を掃除機で吸い取ってみたりしても変化なし。
思い切って取り外してみると2000年製造とあり、電化製品の寿命だと納得して処分、買い替えることにした。
しかしながら、ダメになったのは熱源のヒーターだけ。
まだまだ使える木製のやぐらも天板も一緒にお払い箱…?
もったいないけど仕方ないのかな…と釈然としない思いのまま、とにかく家電店に行った。
8年間足を向けなかった炬燵売り場。
なんと!『こたつ取り換えヒーター』という商品があるではないか!
知らなかったのは私だけ!?
これぞ求めていた物!やぐらの木枠サイズなど計ってこなかったが、3種類のサイズに対応できるという商品を「ええぃ、ままよ!」と買って帰った。
補助金具を付けてぴったり収まり、テーブルは引き続き愛用、暖かさは戻り、予算は1/3で済み、メデタシメデタシ。
あ 秋は紅葉の高千穂峡(あきは もみじの たかちほきょう)
昭和30年発行『宮崎縣教育かる』を50音順に紹介していく。
(絵札・読み札の裏面に、それぞれクイズ、易しい解説も印刷されていた。)
最初に詠まれているのは高千穂峡。
今さら紹介するまでもなく、全国的に有名な観光スポットである。
宮崎県北の高千穂町にあり、正式名称「五ヶ瀬川渓谷」の通り、五ヶ瀬川上流に位置する。
阿蘇山から噴き出した溶岩流が五ヶ瀬川によって浸食され、見事な柱状節理の峡谷を形成。名勝、天然記念物に指定され、峡谷に流れ落ちる真名井の滝は日本の滝100選に選ばれている。
ちなみに現代ひむかかるたでは『ろ』で詠まれている。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/ro/index.html
群馬県には、県内の名所旧跡や名産品、伝統文化、偉人などを読み込んだ『上毛かるた』というものがあり、誰もが子どもの頃から慣れ親しんでいるそうだ。
同県出身のタレント井森美幸さんが、テレビで「つ」「 鶴舞う形の群馬県」「ね」「 ねぎとこんにゃく下仁田名産」と、ランダムな問いにすべて即答し、「群馬県出身の人なら誰でも全部暗記してます。」と誇らしげに言っているのを見たことがある。
楽しみながら郷土について学び、大人になって県外に出てもふるさとへの愛着を持ち、いいことだなあ…と思っていたら、なんと我が出身県宮崎県にもあった。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/index.html
宮崎公立大地域研究センターが県内小学生に読み札を募集し、学生が絵札を描き、2006年に制作されたとのこと。
ところが、さらに驚くことがあった。
それよりはるか以前、すでに『宮崎縣教育かるた』なるものが存在していたのだ!
上毛かるたは昭和22年初版、昭和30年改訂版が発行され、それと同じ昭和30年発行だった。
しかも保存されていたのがまさにふるさと日之影町!
町のF田酒造(現F田酒店)さんに、1枚も欠けることなくきれいな形で残っていた。
郷土の貴重な文化資料とも言えるそのかるたを、同家のご好意によりお借りした。
これから50音順に1枚づつご紹介していきたいと思う。
まずは外箱から。
定価や局番なしの電話番号に時代がうかがえる。