goo blog サービス終了のお知らせ 

言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

絹の手触り

2013年06月10日 | ハンドメイド

   

姑からバッグに入る小物入れを作って欲しいと頼まれた。
「中味がごちゃごちゃになって、いざという時に肝心な物が出てこないのよ。」
ポーチより巾着がいいらしい。その方が簡単なので早速作ることにした。

大島紬の端布で手提げや合財袋を作った後、いびつな形の余り布ができる。
小さくて使い途がなくても、絹糸で丹念に手織りされたと思うとなかなか捨てられずにいる。
それらでできるサイズの巾着袋を大小作った。
画像右端のみウールの着物地で、ちょっと大きめにマチも入れた。
シンプルな作りなので内袋はなくてもよかったが、姑用では手も抜けず全部にきっちり付けた。
叔母と半分こするようメモを添えて送った。
それにしても紬の手触りの何と心地いいこと!


姑三姉妹

2013年06月02日 | ハンドメイド

帰京の前日、姑を手伝って和箪笥の整理をした。
「たいしたものはないけど形見分けを考えておかなきゃね。」
こんな時、嫁はどんな表情をすればいいのか、なんと返答すればいいのか困ってしまう。
「この大島紬は娘にあげたいから畳紙にそう書いてくれる?」
「そういうことは直筆がいいので、お母さんが書いて下さい。」
これも穿った解釈をされると姑の身内に失礼なようでヒヤヒヤする
姑はあっさり書いて、私に残りの大島から好きなものを2つ選んで持って帰るよう言った。
いただいてもバッグ作りで解体しかねないので1枚だけにし(切り刻まないようにしなくては!)、ほどいても構わない古い帯もいただいた。


着物の話題つながりで実家の母から貰ってきた大島のハギレを見せると、その中の1枚に目を輝かせた。
昔から年齢より若やいだ物を好んでいた姑が一番地味な柄を手にしたので意外に思った。
合財袋を念頭に男柄に見えるものとして貰ったものである。
「お母さんには渋すぎませんか?」
「品がいいじゃない。元気だったらこんな着物着てお出かけしたいわ。」と、布を胸に当ててみたりする。
「それじゃこれでトートバッグでも作りましょうか。」となった。

帰京後、さっそくバッグ作りを始めた。
「それはおふくろには地味だよ。」
母親の好みを知っている夫がしきりに言う。
「私もそう思ったんだけど『これがいい』 って選んだんだから。」
同サイズ柄違いで叔母(姑の妹)用も作った。
近所に住んでいて共に一人暮らしなので、しょっちゅう行き来して姑のケアをしていただいているので感謝してもし足りない。

        

     オリジナルタグを付けた第一号が姑用になってよかった。

そうだ、もう一人叔母さんがいた。末妹が隣県にいて、時折りご機嫌伺いに行ってくれる。
日本舞踊をやっていて着物を着る機会が多いということなので、デザインを変え、かぶせを巾着形にした。
大島は地味な物しか残っていないので、姑に貰った雨コートのハギレを使った。


三姉妹分まとめて姑に送った。
数日後、姑からお礼の電話があった。
「地味じゃなかったですか?」と尋ねると一瞬の間があった。それだけで察知できた。
「妹に 『これ(自分用)使う?』 って言ったら、珍しく譲らず 『色柄から言ってそっちが姉ちゃんのだわ』 といそいそと持って帰ったわ。」
やっぱり…。
叔母に作った布が少しだけ残っていたので、ギリギリできる変形サイズのバッグを急いで作って送った。

自分には女の姉妹がいないので、いくつになっても助けあったり軽口を叩きあっている関係が羨ましい。