祭りてぬぐいを扱うようになって祭り用品に興味が湧き、「祭り用品・袋物」で検索すると「腰下げ巾着」が真っ先にヒットする。
三角の尖った感じのフォルムがあまり好みではなく作る気になれなかったが、そうだ自分の好みに変えればいいのだと思い直して作ってみた。
実物はもちろん見たことがないのでネットの画像だけが頼りである。
正面、裏面、側面のファスナー部分を見ながらああでもないこうでもないと試作。
紐を通すハトメは、昔使っていたものがソーイングボックスの隅に残っていた。
センターの飾り結びはさらに「紐結び・和」で検索してお守りなどに使われている「二重叶結び」にした。
ネット商品とほとんど同じサイズだが、タックの寄せ加減で好みのふっくら感ができた。
出来てみればなるほど便利なアイテムだと認識。
神輿を担ぐ時は両手を空けておきたい、しかし最小限のモノは身につけておきたい。
そこで半纏の角帯にぶら下げておこうということになったのだろう。
上部の絞りを開ければモノの出し入れは出来るが、こちらはほとんど飾りで脇のファスナーを使う。
そうすれば腰に下げたままでもモノが取り出せる。なかなか機能的である。
こういうものは「粋」が信条、それを決定づけるのは紐の先端にある木製の留め具のような気がする。
ところが手芸屋さんで捜しても同じような物が見つからない。
じっくり捜してみるか、見つかっても高価だと迷ってしまいそうだ。
前回制作の合切袋(2011年11月3日投稿記事)が思いの外好評だったようで、「秋祭りに間に合えばいいから」と12枚の手ぬぐいを預かっていた。
まだまだ先のことだが、制作工程を憶えているうちにやっておこうと取りかかったらやめられず一気に作り上げた。
前回になかった柄のものだけアップしよう。
エンジ色のてぬぐいは女性用(女みこし)で、男の手提げである合切袋ではなく巾着袋にしていたが、
「お祭りで神輿を担ぐ時は威勢がよくて男と同じ。構わないからぜひ」と言われて作ることにした。
出来上がってみれば、なるほど半纏姿の粋なお姉さんが持って似合いそう。
子どもには子ども用のてぬぐいもちゃんとある。
ほかにもいろいろ。
毎回の事ながらどれも洗練されたデザインに感心しきりである。
今回、祭りてぬぐいではないものも混じっていた。
老舗の天麩羅屋さんのものか、海老がドーンと大きくプリントされているだけ。
とても袋のサイズに収まりそうになく、一度は作るのをやめようと思った。
が、しかし、イキのいい感じで跳ねている海老が妙に創作意欲をかき立てる。
長いヒゲと尻尾が切れても海老らしさを損ねないギリギリの箇所で裁断、従来の袋のサイズより少し大きくなった。
ヒゲと尻尾の絵柄も捨てがたい…。苦肉の策で海老がひと回りする形にして裏面中央で縫い合わせることに。
両面脇の縫い代分、絵柄が隠れてしまったのは致し方ない。


ふるさとから金柑が届いた。
今や全国にその名が知られている「金柑たまたま」である。
糖度が16度以上のものを『たまたま』、さらに糖度が18度以上のものを『たまたまエクセレント』と呼ぶそうで、そのエクセレントをいただいた。
ふるさとは美味しい。


先日バチ袋を作って差し上げたK氏が、おまけの共布巾着袋を3歳のお嬢さんのバレエシューズ入れにするという。
それにはちょっと武骨ではないかと思い、手元にあったそれらしき布で急ぎ作ってあげた。
20×18センチの袋に入るサイズが(バレエシューズは畳める?)微笑ましく、我が子が小さい頃せっせと手作りしていた頃を思い出した。
袋ものやパジャマなどのソーイング、セーターやカーディガンの編み物などずいぶん作ったが、なにせ我が家は息子、どれも華やかさに欠けていた。
材料を買いに手芸屋さんに行くと、「女の子ならこれで…」とかわいい素材についつい目が行ったものだ。
しかも男の子が喜んで使ってくれるのは小学校までで、以後ミシンは長らく押し入れにしまい込んでいた。
幼稚園の頃、近所の教会の英語教室に通っていた時に使っていたバッグと、大好きだったドラゴンボールのナップザック&上履き入れ。
汚れくたびれていてもなぜか処分できずにいる。

