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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

鮫小紋

2011年11月07日 | ハンドメイド

 

前回投稿で曖昧なまま書いていた箇所に赤星さんからコメントをいただいた。
手ぬぐいの柄で 「水玉でいいのか?豆絞りとも違う…」 という表記に、

地紋ですが、豆絞りでもなく、水玉でもなく、ちょっと弧を描いた点々の集まり、というのは、確か、鮫小紋ではないかなと思います。

私もちょっと脳裏を掠めたが、赤い巾着袋のようにカチッとした地紋がそれだと思い込んで、手ぬぐいのまばらな感じは自信がなかった。
確かにこれも鮫小紋である。
無造作に散らばっていそうで、その間隔はどこも均等で遠目に見ると弧を描いている。
改めて和の図柄の美しさに感心する。
赤星さん、ありがとうございました。

ちなみに巾着袋も手作りし、くみん祭りで販売した。
愛用されていますよう。


信玄袋 改め 合切袋

2011年11月03日 | ハンドメイド

       
最近手ぬぐいに囲まれている。
くみん祭りで手ぬぐいを利用した信玄袋を作って販売したのがきっかけである。
地元の友人夫妻の宣伝効果大で、祭り終了後も「これで作って欲しい」と手ぬぐい持ち込みで数件頼まれた。
地域の祭りや太鼓の会などで独自に誂えたものだが、どれもが素晴らしい図柄で今さらながら和のデザインに感心、目の保養もさせていただいた。

           
上2点は手ぬぐいの撮影を忘れて裁断してしまった。
右の依頼者は「紐通しは付けないで。自分で付けたい金具があるから。」という注文。なかなかのこだわりを持っていらっしゃると拝察。一番面倒な工程が省けたので、余り布で巾着袋を作って差し上げた。

      
高千穂神楽の飾り付けになる彫物(エリモノ)をデザインした手ぬぐいでも制作した。
そんな折りに高校の同窓会(全回生合同の関東支部)があり、その時のグッズもまた校歌と校章の手ぬぐいだった。
デザインしたのは後輩で漫画家の赤星たみこさん。
同窓会会長からの依頼があり、校章手ぬぐいでひと回り大きな信玄袋を作った。
たまたまiPadのサイズに合ったようで喜んでいただけた。

   
すべて依頼者にお届けして自分の手元にはないが、手ぬぐい・仕上がりともに一番印象に残ったのが上の1点だった。
まず手ぬぐいの美にうっとりした。藍の色が美しく、水玉(でいいのか?豆絞りとも違う…)がこれ以外粗でも密でもダメというバランスで散り、ハラリと揺れる柳の枝(藤の花房という見方もあるが、否、柳と確信)がなんとも粋である。
 後記:正解は藤だった。詳細は2012.4.4投稿「いとし藤」を。
どこを切り取るかミリ単位で何度も移動してみた結果、裏面優先でトリミング。中央に柳の枝が下がり、隅に染め師の印がくるようにした。いざハサミを入れる時もグズグズためらってしまった。
他の袋では紐通しをマチの布に合わせて全体を引き締めていたが、これは敢えて手ぬぐい布を使ってみた。
柄の雰囲気に合わせてたおやかな感じにしたかったのだが、その効果はあったと思う。
できればずっと自分の手元に置きたかった。しかし依頼者の持ち込み手ぬぐいである。満足していただき、愛用していただくことを願うのみ。


そう言えばたしか我が家にもいくつかあったはずだと探してみたら、いただき物やお土産で買ってきた物とで4枚あった。
左端の柄はたぶん「構わぬ」(鎌・輪・ぬ)の洒落だと思われる。2番目は熊野大社で買った物。太陽を背に舞っているのはサッカー日本代表のシンボルマークでもお馴染みのヤタガラス。
3番目はタコ唐草にタコの絵が面白い。右端の花火の手ぬぐいはお気に入りでこのまま取っておこうか、何か作ろうか、今迷っている。

ところで「信玄袋」と何度も言っているが、自分としてはもうひとつの呼び方「合切袋(がっさいぶくろ)」の方が語感も字面もぴったりだと以前から思っていた。
信玄袋は男性の提げ袋。「信玄」は武田信玄に由来しているらしいが、出かける時に携帯品を「一切合切」放り込む感じが袋のシンプルな構造によりマッチしていると思う。
漢字表記で「合財袋」もあるらしいが「合切」がいい。

「合切袋」と言いたいが、相手に「は?」と言われて結局「信玄袋のことで…」と言い換えることになりそうで通り名にしてしまう。
ごまめの歯ぎしりならぬ呟きでも、ずっと言っていればいつか逆転するかしらん?
せめてここでの表記は合切袋(がっさいぶくろ)にしよう。