
ボクシングの団体は世界に4つ(WBA、WBC、IBF、WBO)あり、それぞれにチャンピオンがいる。
じゃあ、いったい真のナンバーワンは誰かということで昨秋から企画されたのがWBSS(World Boxing Super Series)トーナメントである。
バンタム級で井上選手がエントリーした。
昨年10月7日、横浜アリーナで1回戦が行われた。
翌11月5日に拙ブログにアップした画像を再度使用。
試合開始のゴングが鳴ってジャスト1分、右ストレートが決まった瞬間である。
そこから10カウント取って、1ラウンド70秒でKO勝利!

後ろめたさもあるので彼の顔が映っているのは避けている。
ちょっと雑誌Number風ではないか?(笑)
今年5月18日、準決勝は英国スコットランド グラスゴーで開催された。
2ラウンド1分19秒でTKO勝利!
無敗者同士で事実上の決勝戦とも言われていたが、2度目のダウンを喫した相手のロドリゲス選手はセコンドの方を見て「もうダメだ」という戦意喪失の表情で首を振っていた。

そして11月7日の決勝戦は埼玉アリーナ。
対戦相手はノニト・ドネア選手。
初めて井上選手のフルラウンドの試合を観た。初めて出血したのを見た。
これまでいつも早いラウンドでノックアウトし、涼やかな顔で勝利の笑みを浮かべる姿しか見たことがなかった。
2ラウンドで左フックを受け右瞼を切る。
のちのインタビューで眼窩底骨折し、以後ドネアが二人に見えていたという。
9ラウンドに強烈な右ストレートを受け、一瞬ヒヤリとした。
のちのインタビューで、その時息子の顔を思い浮かべ踏ん張ったという。
そして11Rでダウンを奪ったが、ドネアはギリギリで立ち上がった。
(一撃が効いた後、追撃のチャンスになぜレフェリーは間に入ったの? ダウンのカウント取るの遅くない?)
試合終了のゴングが鳴ると二人は固く抱き合い、グローブを外した井上はさらにドネアのコーナーに行き、ひざまづいてハグしていた。いいシーンだった。
井上はずっとドネアに憧れ、リスペクトしていた。
ドネアも井上を評価し、数年前にアドバイスもしている。
判定で井上選手の右腕が高々と挙げられた。
4団体すべてのチャンピオンベルトを奪取した。
トーナメント前、「4つのベルトを揃えたい」と言っていたことを実現したのだ。
そして、モハメド・アリの名を冠したアリ杯を手にした。
のちのインタビューで、試合直後にドネアから「アリ杯を息子に見せたいから貸してくれないか」と頼まれ、祝勝会に持参したかったが貸してあげたと言っていた。
これもいいエピソードである。

3試合の録画ははすべてプロテクトをかけ、永久保存版とした。
ボクシングのどれもが好きかというとそうでもなく、重量級はちょっと苦手である。
バンタム級前後の階級がシャープで華麗?な感じがする。
昔は畑山隆則選手のファンだった。あの頃からだろうか…。
あ、もっと前、始まりは矢吹丈だ!