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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

歌舞伎揚 検証

2025年03月28日 | ノンジャンル
プレバト俳句の春光戦での優勝句は、歌舞伎揚を題材に詠まれていた。
(商品名に「げ」の送り仮名はない)
ブログで画像をアップするので撮影用に買った。
数年ぶりか、いやもっと長い間買っていなかった。
番組で「歌舞伎役者さんの家紋が刻印されている。12種類の中で市川團十郎さんの三枡だけが四角で、これがあったらレアでラッキー」と言っていた。
念のために最初に手にした袋の透明部分から見ると、右下隅の煎餅の形が丸くなく四角形の一辺のよう…。四角い煎餅に違いない。
簡単に見つかって、3月3日ハッピーターンのハート形に続くラッキー。
11枚入りをすべて出して確認すると、な、なんと四角い歌舞伎揚が2枚入っているではないか!
個別包装でわかりにくいので全部出して並べた。上段2枚が四角い三枡の煎餅である。
(さっさと撮影して、ジップロックにしまわなくては!)
あっけなく見つかり、しかも2枚入りならそんなにレアではないのかもしれない。
 
そもそも煎餅に家紋の刻印があることを、これまで全く知らなかった。
なぜ「歌舞伎揚」という名前なのかも特に疑問を持たないまま、袋にプリントされた定式幕(じょうしきまく)でなんとなく納得していた。
刻印に気づかなかったのは、食べ方にも原因がある。
手を汚さないよう個別包装を開封前に袋の上から割り、一片を取り出して食べていた。
従って一枚を丸ごとマジマジと見たことがなかったのだ。
 
発売元天乃屋のHPには、
「現在の歌舞伎揚はソフトに仕上げるようになり、家紋のデザインが見えにくくなっていますが、以前は堅めに仕上げていたため、家紋のデザインがはっきりとみえていました。」
とある。
 
刻印がわかりやすいものを並べてみた。
そして数年ぶり、いやもっと10年以上ぶりにいただいた。
湿気ないうちに食べなくては。
そして今日、郷里の友人から「金柑たまたま」が送られてきた。
これも食べなくては!

サッカー 野球

2025年03月25日 | スポーツ観戦
3月20日、W杯アジア最終予選第7戦の日本vs.バーレーンがあった。
これまでの6試合は、中国戦7−0、バーレーン戦5−0、サウジアラビア戦2−0で勝利。
オーストラリア戦は1−1のドロー(両国ともオウンゴールの得点)だった。
インドネシア戦4−0、中国3−1で勝利(アウェーで、何とサイドラインを両側1.5M内側にしたピッチ!これがルール上問題なしとは不思議!)。
5勝1分けで勝ち点16、グループCでダントツの1位である。
 
埼玉スタジアムは、全方位侍ブルーで塗り固められていた。
スタメンはオール海外組。
前半9分、早くもゴールと思いきやVAR判定でハンドがありノーゴールに。
後半21分、上田 → 久保 → 蒲田のゴール 
42分、久保(CK) → 伊東 → 久保ゴール
2−0で勝利。残り3試合を待たず、史上最速のワールドカップ出場を決めた。
キャプテン遠藤は「僕らの目標はワールドカップで優勝すること」と明言。
何と頼もしい!
最年長長友選手の「みんなブラボー!」で締め括った。
今日は対サウジアラビア戦がある。
 
翌日追記
0ー0のゴールレスドローという結果だった。
W杯出場残り1枠をかけたサウジアラビアの思いも強かった。
これからは、日本代表の中でのメンバー入りをかけた新たな戦いがあるのか…。
 
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18・19日、東京ドームでMLB開幕戦カブスvs.ドジャースの2連戦があった。
大谷選手、佐々木朗希選手のファンだが、カブスにも鈴木・今永選手がいると、チームドジャースを応援するというより、日本人選手全員が活躍して欲しいという見方になる。
プレーボールコールにボクシングの井上尚弥選手が!
結果は写真のスコア通り、ドジャースが2勝した。
 
18日から選抜高校野球が行われており、28日にはプロ野球が開幕する。
球春たけなわ。
昨日24日、東京管区のソメイヨシノ開花発表があった。

散歩点描78 梅を撮りに

2025年03月21日 | さんぽ
先日植物園の近くに用事があって出かけ、ついでに久しぶりに植物園に行った。
桜の開花が近いので梅の見納めと思い、梅園だけにした。
梅まつり終了後の平日だったので入園者は少なく、人物の入らない写真が撮れた。
 
お天気が良く麗かな日ですっかりもう春と思っていたら、19日は雪が降った。

2025春光戦観戦記 決勝 & ランク外

2025年03月19日 | 俳句
1stステージを勝ち上がった3名は、お題は変わらずに新たな俳句で対戦した。
 
優勝 歌舞伎揚げの 家紋三枡や 竜天に  梅沢富美男(永世名人)
【自 解】歌舞伎揚には歌舞伎役者さんの家紋が刻印されている。
ほとんどが丸い煎餅だが、市川團十郎さんところの家紋は四角い枡なので煎餅も四角。
非常にレアなので、袋にこれがあったらラッキーとのこと。
上五に「の」はいらないと思われるかもしれないが、調べが良くなるので敢えて六音にした。
【解 説】長い季語「竜天に昇る」は、春になると淵に潜んでいた竜も天に昇っていくかのようだという、中国の伝説に由来したもの。(対して「竜淵に潜む」は秋の季語)
「竜天に」で止め余白を残すことで、三枡のおうちの隆盛を祈るご挨拶句のような味わいになっている。いかにも粋ではないか。
 
   ++++++++++++++++++++++++++++
 
残り2名については、番組内で自解、TVerで順位を付けずに解説されたので、放送順に記載する。
 
花曇 ため息代わり フエラムネ 犬山紙子(特待生1級)
【自 解】春曇りの憂鬱な気分の日、将来のことなど考えてため息をつきたいところ、フエライムをピーと吹いて気分を変えようと思った一句。
【解 説】気分が伝わって来るいい句だが、上五で切れ、中七も軽く意味の切れ目があって、この調べ(3段切れ)が損している。
上五中七をつなげるなら。中七下五をつなげるなら。
添削 花の日の ため息代わり フエラムネ
   花曇 ため息めける フエラムネ
 
シーフードヌードル 春夜の反航  藤本敏史(永世名人)
【自 解】YouTubeで、長距離フェリーに乗って一人旅する動画が好きでよく見ている。
その一人旅をしている人は、自分が乗っているフェリーと逆の航路から来てすれ違う「反航」を楽しみにしている。
シーフードヌードルを食べながら反航を見ている状況を詠んでみた。
【解 説】「春夜のハンコウ」を耳で聴くと思春期の反抗のようだが、「反航」の文字を見て意味がわかると、旅のオタクみたいな人物が浮かび上がってくる。
反航を楽しみたいために甲板でシーフードヌードルを食べているのではないか。
そういう気分が伝わってくる面白い取り合わせだった。
 
   ++++++++++++++++++++++++++++
 
1stステージの11位以下もTVerで順位発表と添削があった。
自解はなくナレーションで要約されていた。
 
11位 ポッキーも 春もボートと 浮いている  春風亭正吉(特待生3級)
【 N 】若い男女がボートの上でポッキーを食べている姿を詠んだ一句。
【解 説】発想は楽しくて面白い。
しかし「も」「も」「と」という助詞の使い方がこれでいいのだろうかと悩まされた。
作者の意図を聞いてないので「私ならば」ということになるが、例えばすべて「と」でつないで恋の気分も入れると面白い句になる。
添削 ポッキーと 恋とボートと 春と雲
 
12位 モノクロの桜に グリコの赤い箱  立川志らく(名人8段)
【 N 】幼少期、花見に行った時のグリコのキャラメルの思い出を詠んだ一句。
【解 説】「モノクロの桜」となると記憶っぽいイメージで、季語「桜」の鮮度が心配だが、追憶の後継として浮かび立っている。
惜しいのは「に」。これが不要だった。
添削 モノクロの桜 グリコの赤い箱
 
13位 馬連かワイドか エクレア喰む春夜  皆藤愛子(名人6段)
【 N 】競馬予想中に必ずエクレアを食べる週末の日常を詠んだ。
【解 説】惜しいのは一点、「喰む」という動詞がいらなかった。
添削 幽馬連かワイドか 春の夜のエクレア
これで食べているのは否応なく分かる。
 
14位 たんぽぽや ヘッドロココと 通学帽  森迫永依(特待生2級)
【 N 】ビックリマンチョコに付いているシールを持って通学していた幼少期の思い出。
【解 説】「たんぽぽ」と「ヘッドロココ」の取り合わせは楽しい。
しかし「ヘッドロココ」が出た瞬間に子どもだと分かるので、「通学帽」はない方がよかった。
 
15位 ポッキーポリポリ 受験子スパークす  中田喜子(名人10段)
【 N 】勉強中にポッキーで一息つき、やる気スイッチを入れる状況を詠んだ一句。
【解 説】カタカナをいっぱい入れて揃えるという意図は意欲的だったと思う。
しかしポッキーに対してポリポリは少し安易。その部分こそ工夫して欲しい大事な点だった。
 
16位 飛花の夜や 鴇羽(ときは)ひとひら 親子丼  的場浩司(特待生2級) 
【 N 】舞い散る桜の花びらが、食べていた親子丼に落ちた瞬間を詠んだ。
【解 説】入れたい言葉が多すぎた。「夜」を諦めていただけるなら、
添削 親子丼に 飛花のひとひら 鴇羽色 
とすると調べがゆったりと流れる。調べと内容を工夫していただきたい。
 
17位 フルーチェの ミルク増し増し 草萌や  馬場典子 (特待生1級)
【 N 】大好きなフルーチェをたくさん食べたくて、多めに牛乳を入れて作った状況を詠んだ。
【解 説】下五に詠嘆の「や」を付けると俳句の型が不安定になり、バランスがとりにくい。
また「増し増し」の表現もリズムがあって楽しいが、借り物の感じがするのでひと工夫の余地あり。
このままの形で行きたかったら、「や」を使わずに着地して欲しかった。
添削 フルーチェの ミルク増し増し 草萌ゆる

2025春光戦観戦記 1stステージ

2025年03月18日 | 俳句
3月13日(木)、プレバト春光戦が放送された。
出場者は過去最多、17名の名人・特待生で争われた。うち12名は優勝経験者である。
今回のお題は「ついつい買ってしまう人気フード」だった。
ファーストステージの上位3名だけが決勝に進み、今回もまた11位以下は番組内で放送されず、TVerでの放送になった。
夏井先生の解説と添削は以下の通り。
 
1位 春風を入れて マーブルチョコに蓋  藤本敏史(永世名人)
【自 解】子どもの頃マーブルチョコが大好きで、公園に行く時持って行っていた。
遊んでいる最中に2〜3個食べ、蓋を閉める時に春風も一緒に入れていたという一句。
【解 説】マーブルチョコの特徴を上手に使っている。
カラフルな色と円筒の形がうまく入っている、
そして季語の「春風」。これは他の3つの季節の風と入れ替えることのできない不動の季語で、しっかり立っている。
 
2位 ケトルの湯 春日の タマゴポケットに  梅沢富美男(特別永世名人)
【自 解】チキンラーメンは青春時代から今もよく食べている。
昔は卵を足すこともそうそうできなかった。
熱湯を注ぎ、出来上がるまでののどかなひとときを詠んだ。
【解 説】「タマゴポケットに」としたことで、書いてないが麺に凹みがあって、そこに既に生卵が置いているのがわかる効率的な表現になっている。
一点気になったのが最後の助詞の「に」だった。
これが「へ」なら、今まさにお湯を注ごうとしている瞬間になる。
それに対して「に」は、、すでに注がれていて、白身の色が変わっている様子。
作者の話を聞くと後者を表現したかったのだと理解し、このままで味わいたい。
 
3位 朧夜や 薬の横の ミニボーロ  犬山紙子(特待生1段)
【自 解】朧夜の低気圧のような時期に、頭が痛くなることがある。
薬のそばにミニボーロがあって、その優しい甘さは大人になった今でもいいなぁと思う。
【解 説】読んだ瞬間に光景が立ち上がってくる。
季語の「朧夜」が病気の状況を包み込むような感じもする。
そしてミニボーロを食べた時の優しい食感とほんのりとした甘さが、季語と付かず離れずでとても上質な出来になっている。
 
4位 チキンラーメン 兄と割る 四畳半の春  千原ジュニア(永世名人)
【自 解】この世界に入ったばかりの時、兄と二人でワンルームの四畳半で暮らしていた。
お金がなくて1つのチキンラーメンを2つに割って食べた思い出がある。
【解 説】一番褒めないといけないのは、盛り込んでいる情報が多いのによくここまで整えた事。
チキンラーメンでなくカップヌードルでもいいのではないかという声もあるかもしれないが、「割る」という行為が作者の体験として入っているので、抜き差しならない、動くはずのない作品になっている。
 
5位 おみやげの 銀だこ熱し 春の雪  本上まなみ(特待生4段)
【自 解】銀だこのたこ焼きを子どもへのお土産に買うことが多く、熱いまま持って帰りたくて上着でくるんで大急ぎで帰るという状況を詠んだ。
【解 説】それぞれの言葉が意味・情報の重なりがなく、意図を持って選ばれている。
銀だこの「銀」と春の雪の「白」とで、色のイメージの対比がさりげなく出てくる。
たこ焼きは本来熱いものなので「熱し」は要らないようだが、おみやげのたこ焼きなので、熱いまま届けたいという思いが伝わってくる。
 
6位 かつサンドつまむ 日永のロケ現場  森口遥子(名人9段) 
【自 解】春になって日が長くなって、うららな時のロケは和やかでとてもいい雰囲気である。
まい泉のヒレかつサンドは簡単につまめて、好んでよく食べている。
【解 説】「かつサンド」のアップから始まり、「つまむ」でそこに人物が見える。
「日永」は映像を持たない季語だが、いい位置に入れた。
季語の力がかつサンドを美味しそうに見せ、ロケも順調に進んでいる印象を醸し出し、確かな一句。
 
7位 コーラグミ 3回噛んで 春一番  蓮見翔 (特待生4級)
【自 解】散歩する時などにパッと食べられるものとしてコーラグミをよく買う。
食べながら歩いている春一番が吹いたという句。
【解 説】コーラグミを噛むことと春一番が吹くことは全く関係がない。
しかし関係のないものをあたかも関係があるように取り合わせるところに詩が生まれる。
グミを噛んだ時の弾力、酸味や甘味の複雑な感じ、そのような感触を春一番と合わせたのだろう。
春一番が吹く風の強さ、春が来たという喜び、それがコーラグミを強く3回噛む感覚と似ている。若い方の一句だった。
 
8位 夏近し ビッグマックの 箱に鉤(かぎ) 村上健志(永世名人)
【自 解】ビッグマックは箱に入っていて、フタが開かないようにフックが付いている。
それを開けて「さあ食べるぞ」という期待感と「夏近し」が合うと思った。
【解 説】最後に「鉤」を置いて焦点を当てたかった作者の意図は十分理解できるが、これは本来金属製の物を意味する。
いきなり出てきてプツンと終わるのは違和感がある。それがとてももったいなかった。
捨て石のように「紙箱」として質感を補填しておいて、
添削 ビッグマックの 紙箱に鉤 夏近し 
鉤を開けると夏がいよいよやって来る、そこに主眼が来る。
そうしていたら間違いなくベスト3に入っていた。
 
9位 ぼんち揚 割れば春陽の 実家かな  内藤剛志(特待生5級)  
【自 解】東京に出てきたばかりの頃、歌舞伎揚げって何だ? 関西はぼんち揚だと思っていた。
俳優養成所でライバルが多い中、これを食べると実家にいた頃や無邪気な子供の頃を思い出して癒された。
【解 説】多少気になったのが「春陽」である。これは季語の「春日」で十分。うららかな陽射しも感じられる。
「実家かな」と詠嘆するのではなく、他の方法でやってみると、
添削 ふるさとや 春日にぼんち揚 割れば
こうすると、最後にぼんち揚の感触が残る。

10位 ピノ溶ける春暁や 『山月記』閉づ  三宅香帆(特待生5級)
【自 解】アイスのピノはスティックで刺して手が汚れないので、読書のお供によく買う。
「山月記」を夢中で読んでいて、ピノが溶けてしまった時の思い出を俳句にした。
【解 説】「ピノ」「春暁」「山月記」の取り合わせが意外なのに、どこか惹かれあっているという不思議な感覚だった。
ただし最後の「閉ず」は不要。本を閉じていようがいまいが、読書に夢中になってハッと気づけば。
添削 ピノは溶け果て 春暁の『山月記』
こうすると時間経過が表現できる。
そして溶けても形をとどめているピノは、他のアイスには変えられない大事な要素になっている。