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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

散歩点描58 観梅

2023年01月28日 | さんぽ
 
寒かったが天気がいいので植物園を散歩した。
園のはずれに梅園がある。まだ早いとは思ったが行ってみた。
やっぱり早かったが数本花を付けていた。
 
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正門横で木の実の展示をしていた。
 
自然の造形物の何と美しいこと!
「森のエビフライ」とは、本来左下の大きなまつぼっくりだったのを、リスが先端を残してきれいに齧り、尾つきのエビフライのようになったのだと係員が説明してくれた。
 
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植物会館では盆栽展をやっっていた。
梅だけを撮影。
 
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芝生広場で家族が鬼ごっこをしていた。
両親と小学校低学年らしき兄弟。そばにおじいちゃんもいた。
鬼はパパで、最初にママにタッチ。
長男はパンパスグラスの周りを逃げまわっていたが捕まった。
するとおじいちゃんがいきなり瞬足で駆け出し、パパ鬼が本気で追いかけた。
横を歩き過ぎた私は驚いて、思わず振り返った。
おじいちゃんが捕まり、鬼は最後に次男を追いに行った。
まだ若い夫婦にまだ若いおじいちゃんだったが、息子なのかお婿さんなのか、どちらにしても本気で追いかけっこしている姿が何とも微笑ましかった。

丙丁つけ難し

2023年01月23日 | ハンドメイド
先日編んだグリーンのルームソックスを履いていたら、夫に「あったかそうだね」と言われた。
それって自分用も欲しいということか?
正直なところ編み方がわかると興味は半減し、仕上がりもちょっと無骨な感じがして2足目を編む気はなかったが、他に使いようのない地味なツィードの余り糸があるので編むことにした。
 
目先を変えれば少しはやる気になるので、つま先・踵・足首部分の色を変えることにした。
毛糸が足りるか不安で、そうせざるを得なかったこともある。
前回の反省点だった足首の2目ゴム編みを、4目減らして引き締めた。
 
そうして夫用が編み上がったが、先日のグリーンもこちらも今ひとつでどうもよろしくない。
こんなケースの時、私はこう言っている。
「丙丁つけ難し」と。
甲乙ではなく。

ルームソックスを編む

2023年01月21日 | ハンドメイド
 
去年の冬は長年眠っていた毛糸で編み物をした。
余り糸ばかりがあってセーターのような大物は作れず、マフラーや帽子、ハンドウォーマーなどを編んでいた。
この冬もまた編んで毛糸を減らそううと思っていたが、もう小物で編めるものが思いつかず気が乗らなかった。
 
先日ビデオデッキの録画をチェックしていたら、 Eテレ「すてきにハンドメイド」のソックスの編み方があった。
編み物は若い頃に全くの独学で始めて何とかできるようになったが、ソックスだけははなから面倒そうに思えて一度も編んだことがなかった。
去年、つま先の編み方を試すために編んでみたが、片方だけでやめている。
録画してあったのは、つま先や踵のカーブする箇所も増減なしでまっすぐ編むやり方である。
講師のニットデザイナーの方の発想、着眼点が面白く、編んでみたくなった。
図書館にテキストを借りにいかなくても、テレビの説明だけでできそうである。
 
指定より太い毛糸で編んだので周囲がちょっと大きくなったが、段数を適当に減らして何とかなった。
踵部分のフォルムがちょっと歪だが、履いてみるとフィットする。
足首の二目ゴム編みの綴じ方は2本どりの伏せ止めになっている、
ゴム編みは正式な綴じ方が好きだが、モコモコ具合がこのソックスには合っているかもしれない。
反省点としては、足首の2目ゴム編みで減らし目するべきだった。
でもまあ誰が見るでもない室内履きなので、防寒用として良しとしよう。
 
前回片方だけでソックだったが、ようやくソックスを編んだことになる。

2023冬麗戦観戦記 2

2023年01月15日 | 俳句

夏井先生の解説と添削。
 
1位 初富士は青し ケサランパサラン来
【自 解】自分にとってのラッキーは何かと考えた時、真っ先に浮かんだのがケサランパサランだった。
綿毛のようなもので空中に浮遊していて、小さい頃からそれを見つけるとラッキー!と思っていた。これに有難い背景として新年の季語「初富士」を取り合わせた。
【解 説】新年の感慨を「青」に託している。
空の青、雪の青白さ、空気の青さ。いろんな青のイメージの濃淡を前半に描いて、長い「ケサランパサラン」が出てくる。
ケサランパサランに「新富士」を取り合わせる勇気、個性に驚き感心した。

2位 雪虫の 第一発見者は 次男 
【自 解】雪虫を見かけると、その後雪が降ってくると聞いたことがある。
この冬、その雪虫を見つけたのが次男だった。小さい子の方が自然を見分ける力に優れているのかもしれない。
【解 説】まず「次男」がリアリティがあっていい。ちょっと得意げな顔をして、いつもはお兄ちゃんに敵わないけれど、その日は嬉しそうに報告している情景が見える。
そして「第一発見者」という硬い言葉を使ったのもいい。こう呼ばれることによって次男のプライド、嬉しさが増す。そこに親の優しい視線がある。
テーマの「ラッキー」との関連性で言えば、たかが雪虫を見つけたことにすぎないが、そんなささやかなことも家族みんなで喜び合える感性が素晴らしい。
幸せを絵に描いたようなご家族である。

3位 冬ぬくし 粘板岩に 貝の跡
【自 解】季語は「冬ぬくし」で、寒い冬の中の暖かい日はそれだけでもうラッキー。
化石発掘体験ロケで参考VTRを見たことがあり、そこから発想した。
粘板岩をハンマーで叩いて、その中に化石を見つけたら凄くラッキーである。
【解 説】作品としてはきちんとできている。
「冬ぬくし」の季語が動くのではないかと考える読者も何割かいるかもしれない。
「岩」や「貝」には冷たい感じの季語の方が良いのではないかと・・・
しかし、冬の暖かい日に化石探しを楽しみ、化石が見つかってラッキーで、テーマに季語が寄り添っている。

4位 マフラーにきら 失くしたはずのピアス
【自 解】よくピアスを失くすことがある。
使おうと思ったマフラーが小さく光って、見るとピアスだった。
諦めていたのが見つかって嬉しかった経験から詠んだ。
【解 説】現実的な意味では一番ラッキー度は高いかもしれない。
ただ俳句の世界で「失くしたはずのイヤリング」などはよく見受ける。
それだけ経験者が多いということだろう。
作者が分かった上で添削するなら、作者らしさを入れてはどうか。
添削 マフラーのフリンジ あらここにピアス

5位 四時限目休講 小春のキネマ
【自 解】自分は大学に行ってないが、突然休講になることがあり、学生は「ラッキー!」と思うらしい。
その空いた時間、天気もよく好きな映画を見に行くという俳句にした。
【解 説】まさに大学あるある。
「四時間目休講」と「小春」の取り合わせだけでもすでにラッキー感がある。
「キネマ」としたことで、映画マニアのような大学生が一人で行ったのではないだろうかという感じも伝わってくる。
音数の問題で言えば「小春」を「小春日」にすると流れが作れる。
添削 四時限目休講 小春日のキネマ

6位 焼鳥や 嗚呼隣席に 郷ひろみ 
【自 解】体験談を詠んだ。
以前焼き鳥の店に行った時、隣に郷ひろみさんがいた。
そして会計をしようとしたら「郷さんからいただいています。」と言われた。
わざわざ電話をして「自分につけておいて」と仰ったらしい。
これまでの焼き鳥で一番美味しかった。
【解 説】これはこれで面白く、楽しませてもらった。季語は「焼鳥」
ただこれに奥行きというかポエムがあるかと言えば、その点で少し損をしている。
しかし、おかしみ・滑稽を詠んだ「俳諧」もあり、直しなしでできている。

7位 一月の銀座で おそろいの遅刻
【自 解】自分にとってのラッキーは何かと考えた時、最近の体験で待ち合わせの約束に遅刻して焦っていたら、相手も同じ時間くらい遅れるという連絡がありホッとした。
これもラッキーなことではないだろうか。
【解 説】「ラッキー」というテーマに対してこのエピソードは悪くない。
問題点は2つある。ひとつは「で」が散文的である。なくても意味は伝わるので不要。
もうひとつは「おそろいの遅刻」がどういうニュアンスか、作者の意図がストレートには伝わりにくい。
例えば友達と約束したら恋人とおそろいで来たとか、ペアルックのおそろいで来たとも読める。
「お互い」にすると誤解されない。字余りしてもよければ「様」を入れてもよい。
添削 一月の銀座 お互い様の遅刻
 
8位 初旅は海へ 黄色の京急来
【自 解】京急線に「イエローハッピートレイン」という電車がある。
これを見られたり乗れたりすると幸運だと言われている。
今年初めての旅でそれに乗って行けたら、良い1年になるだろう。
【解 説】前半はとてもいいが、悩ましいのは後半。
「黄色の京急来」という淡々とした記述が前半とアンバランスで損している。
そして「黄色の京急」のラッキー感の認知度の問題もある。
読者に小さなヒントを投げかける書き方にする。
また、いっそ思い切り字余りにするやり方もある。
添削 京急は黄色だ 初旅は海へ
   イエローハッピートレイン 初旅は海へ
 
9位 夕の膳 二つ「ん」のつく 冬至かな  
【自 解】冬至には南瓜(なんきん)など「ん」が2つ付くものを食べると縁起がいいと言われている。
冬至の日の夕食風景を詠んだ。
【解 説】一見謎かけのようには見え、読み進めていくと冬至の南瓜だとわかる。
作者はすごく良いことを書いたと思っているかもしれないが、これは冬至の風習を俳句にした感じにとどまっている。
これを謎かけにしたいなら、語順が間違っている。
上五で答えを言ってしまっている。
添削 「ん」のつくもの二つ 冬至の夕の膳

10位 雪晴や チャームへ託す 運選ぶ 
【自 解】ペンダントの先に付けられたチャームは、クローバーやハートなど幸運をモチーフにしているものが多く、中七下五の言い方がいいのではと思った。
【解 説】雪晴れとチャームの取り合わせは良い。
問題点は語り方である。
作者はいいと思ったようだが、「託す」「選ぶ」辺りの叙述が散文的である。
動詞2つはやめ、どんな運なのかを具体的に、チャームの描写も書いてはどうか。
テーマに沿わせようとする意識が強く、詩の部分をうっかり落としている。
添削 雪晴や 金運のチャーム きらきら

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今回TVerでは、11位以下の俳句にも夏井先生の簡単な解説があった。

11位 吉兆の輝き 一村をめざす
【解 説】「吉兆」とは、商売繁盛を祈願する福笹の飾り物で冬の季語。
「一村をめざす」が帰省や旅行だと解釈されかねないが、作者は商談に向かう先とのことで、だったら「産地の村」などにすると十分いい句になる。
 
12位 3ミリのジンクス 冬晴れの球児
【解 説】「3ミリ」がわかりにくい。「三笘の1ミリ」もあったことだし、ラインを外れることだろうかと思ったりされる。
髪を3ミリの長さの坊主頭で試合に臨むということらしいが、だったら「3ミリに刈って」とすればわかりやすくなった。
 
13位 夢のあと はぐれ牛すじ おでん鍋
【解 説】食べ終わったと思っていたら、鍋の底に牛すじが残っていてラッキーということらしい。
作者は松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」から「夢の跡」を使いたがったようだが、知識を入れたことで窮屈な印象になった。
添削 牛すじの 外れて おでん鍋の底
 
14位 ダイヤモンドダスト ファンが持つライト
【解 説】ライブのペンライトがあたかもダイヤモンドダストのようだと、比喩にしたことで季語の鮮度が落ちてしまう。
テーマ「ラッキー」というより、テーマ「感謝」というところか。
 
15位 闇動く 幸せが動く 梟
【解 説】闇夜に幸運の鳥と言われるフクロウを見つけ、幸せがもたらされると詠んだ気持ちはわかるが、いきなり「闇動く」とあるので、幸せが動いて不幸が来る印象になっているのが残念。かように語順は難しく大事。
 
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今回優勝した森迫永依さんは、小役時代に「ちびまる子ちゃん」を演じた方。
わずか4回出演での快挙である。初回からいい句を詠んでいた。
ケサランパサランは以前何かの本で知り、名称そのものが呪文みたいで面白いと思っていたが、初富士と合わせるとは!
そして「来(く)」としたのもすごいと思う。
私だったらありきたりに「舞う」などとするだろう。
 
2位の本上まなみさんも出演1〜2回だったと思う。
私はこの俳句が一番好きだ。好みであって順位には納得している。
夏井先生の解説は、私が言うのも何だがさすがである。
鑑賞力も必要なのだと痛感する。
 
ひとつだけ疑問に思ったことがある。
9位梅沢さんの俳句での添削
「ん」のつくもの二つ 冬至の夕の膳
冬至に食べて縁起がいいのはナンキン、ニンジン、レンコンなど「ん」が2つ付くもの。
しかしこれだと「ん」が(ひとつでも)つくもの二つ(2品)になりやしないか?
 
ともあれ、今回も楽しませてもらった。
名人・有段者を押さえ、特待生でもないお2人のしなやかな発想、語彙力が勝利した。

2023冬麗戦観戦記

2023年01月13日 | 俳句

昨日、プレバト俳句タイトル戦の「冬麗戦」が放送された。
去年1年間で詠まれた330句の中から優秀句を詠んだ15名が参加した。
今回も名人・特待生以外で5名が選ばれていた。
今回の兼題は「ラッキー」。
順位は以下の通りだった。

1位 森迫 永依
    初富士は青し ケサランパサラン来
2位 本上まなみ
    雪虫の 第一発見者は次男 
3位 千賀健永(名人8段)
    冬ぬくし 粘板岩に 貝の跡 
4位 森口瑤子(名人2段)
    マフラーにきら 失くしたはずのピアス
5位 藤本敏史(名人10段)
    四時限目休講 小春のキネマ
6位 千原ジュニア(名人10段)
    焼鳥や 嗚呼隣席に 郷ひろみ 
7位 犬山紙子(特待生4級)
    一月の銀座で おそろいの遅刻
8位 横尾渉(名人10段)     
    初旅は海へ 黄色の京急来
9位 梅沢富美男(永世名人)
    夕の膳 二つ「ん」のつく 冬至かな  
10位 村上健志(永世名人) 
    雪晴や チャームへ託す 運選ぶ 

11位以下の俳句は番組では発表されなかったが、昨年同様TVerで公開されていた。

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ちなみに15名が参加資格を得た昨年の優秀句も記しておこう。

いちじくを 運ぶ掛け声 朝の鐘  森迫 永依 
もの言わぬ 従弟にサイダー 渡す駅  本上まなみ
雷声や 絶島の ロンサムジョージ  千賀健永  
メールぴこんぴこん シャワー中だってば  森口瑤子 
雲の峰 ぱんっと乾いた ピザの薪  藤本敏史
病室の 七夕竹に 一礼す  千原ジュニア 
恋を終わらせ 平日の 海月見る  犬山紙子 
春夜のおもちゃ屋 プラレールの やわやわ  横尾渉 
縫い初めの 楽屋朝日は 母にさす   梅沢富美男   
卒業や 階段に 階段の影   村上健志    
産声送信 ドバイは大夕焼  中田喜子  
梅雨夕焼 タイムセールへ 駆ける父  高橋克実 
在りし夏 選ばなかった フレイバー  伊集院光
夕月夜 一人暮らしの 光熱費  二階堂高嗣
影のような 野良犬に桜ながし  立川志らく