神様に舞いを奉納する神楽は全国各地にあるが、神話のふるさと宮崎県はことに多く、県下の約350ヶ所で行われているそうである。
なかでも高千穂神楽は有名で、米良(めら)神楽、椎葉(しいば)神楽とともに国指定重要無形文化財に指定されている。
かるたに詠まれでいる「岩戸」は高千穂町の一地区名で、集落ごとに行われているためこうした呼び方もされる。
現在は観光向けに一年を通して観られるダイジェスト版神楽もあるが、農閑期の11月~2月に一般家庭が神楽宿になって舞われる夜神楽がやはり趣きがある。
農家の座敷に彫物(えりもの)が張られると、そこはたちまち神聖な神庭(こうにわ)に変わり、近在の主婦たちはのり巻きやいなり寿司、お煮しめなどのごちそうを大量にこしらえる。
舞い手は普段農業やお勤めに従事している一般人。そしてこの伝統を受け継ごうとしている子供たちの舞いもある。
内容は、古事記や日本書紀に描かれた岩戸隠れなどの33番から構成され、夕方から夜を徹して舞われる。
さらに興味のある方は以下のサイトへ。
「高千穂の夜神楽」見聞録~高千穂神楽の夜は永く
http://homepage3.nifty.com/muzina-press/kagura/t-kagura.htm
そこには、『神楽は「見世物」ではなく「神事」である。見物人は「賓客」ではなく「参列者」である』と記してある。
ちなみに現代ひむかかるたでは『よ』で詠まれている。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/yo/index.html
神楽舞い
彫物