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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

ケアンズの旅 帰国の日

2010年01月29日 | 


10月28日、楽しかった旅行も今日で終わり。
朝食はMさん手作りのスコーンをいただいた。Delicious !
休校で来ていたMさんのお孫さん姉弟の案内で、朝の散歩に行った。
日本は紅葉の頃、見納めの熱帯の森は濃い緑で溢れていた。



パッキングもすべて済ませ、しばしベランダでまったりとした時間。
名残惜しさにみんなの言葉も途切れがちになる。
見上げると、先日乗ったクランダ鉄道の列車が山の中腹を走って行った。
「ずっと晴れて良かったけど、オーストラリアの雨も見たかった。」Zさんが呟いた。
感傷に浸っていても時は刻む。――さあ、空港へ。

空港に向かう途中、車のフロントガラスにパラパラと雨粒が落ちてきた。
Zさんの呟きが雲に聞こえたようだ。
Mさん、ご主人、お孫さん姉弟に見送っていただき、私たちは搭乗手続きカウンターに向かった。

帰りの機内では、遅い昼食と早めの夕食が出た。
一切サービス無しの格安チケットだったので確認したが、乗務員は「Free.」と言って頷いた。ラッキー!
昼食はカレー、照り焼きチキン、ベジタリアン・パスタの中から選択(画像はカレー)。夕食はホカホカのミートパイ。空港で昼食を済ませていたが、しっかりいただいた。
ブランケット一式も希望者に配られ、(薄手ながら暖かいフリース製。他に空気枕・アイマスク・耳栓・イヤホーン)記念にもらった。
旅行は2009年10月23日~28日、ブログでの報告が丸々3ヶ月後になってしまいました。
Mさん、お世話になり本当にありがとうございました。
優しいご主人、綺麗なお嬢さん、かわいいお孫さん、賢犬テスともども、感謝の気持ちでいっぱいです。
ご一緒したZさん、Kさん、Tさん、ありがとうございました。
そして旅行を快諾、留守番してくれた家族にも感謝。

ケアンズの旅 4日め(グリーン島)

2010年01月27日 | 


高原の魅力を満喫した後、今度は海。
観光の最後はグリーン島だった。
グリーン島はケアンズ沖、グレートバリアリーフに浮かぶ珊瑚でできた島。歩いて1周しても1時間ほどの小さな島で、最も高い地点で標高3メートルだそうである。

ターミナル港を午前10時30分に出発。
乗り物、ことに船が苦手で船酔いを心配していたが、船内探索、撮影、みんなとおしゃべりしていて全く平気だった。デッキにスーツケースが並んでいるのは、島にもホテルがあるから。
45分で到着。席を立つ時、ふと見ると隣の席に携帯電話の忘れ物!
若者が長椅子に横になって寝ていたのを目の端に留めていた。
慌てて追いかけたが、全員背を向け混雑する通路、誰だかわからない。服装もよく憶えていない。
と、一人の青年が横を向いて大きな欠伸をした。起きぬけの眠たそうな表情をしている。
「彼だ!」と確信し、「Excuse me. Yours?」と携帯を見せると「Oh ! Thank you !」と驚いた表情。無事本人に渡すことができた。

下船後すぐにグラスボトムボートで海中の魚、珊瑚礁を見た。
もう少し若かったら、絶対シュノーケリングをしていたのに!
海中が無理なら空中!という訳でみんなでパラ・セーリングをした。
島に来る船中でツアー会社のスタッフに勧められ、「やろうか?」「やろう!やろう!」ということになったのだ。
私たちを含め5組10名、ボートに乗って沖へ。
それぞれライフジャケットを身に付け、2人1組で舞い上がる。
Kさん・Tさんは姉妹で、Zさんと私が最終組。他には金髪のカップル、日本人の若いカップル(ハネムーン?)、もう1組は金髪の女性2人で、揃ってかなりFATだった…
「彼女たちがOKなら大丈夫よね。」と、小声でZさんと話した
順番を待つ間、小さなボートでさすがに酔ってきた。船で揺られているよりパラ・セールで舞い上がった方が遥かに快適そうで、早く飛びたかった。
ずいぶん昔バリ島で一度経験したが、その時は水上バイクが牽引し、ビーチで自ら助走して舞い上がり、着陸も砂浜に駆け下りるやり方だった。
今回は船尾に付いたシートがスッと舞い上がり同位置に戻るので、恐怖心は全くなかった。
防水カメラ以外船内持ち込み禁止だったことを後で知ったが、ストラップを手首に巻きつけ空中まで持参し、撮影した。
下船後クルーズの様子を収めたCDを販売していたので、乗客自ら撮影するのは営業妨害だったらしい。
道理で船内で撮る時、係員のお兄さんがふざけたふりしてレンズを覆ったりしていた。
CDはちゃんと共同で購入したのでお許しあれ。(左下印のある画像は購入CDより使用)
カモメになった気分で空から見るグリーン島、それを囲む巨大な珊瑚礁。挑戦して大正解だった。
スリリングなパラ・セーリングを愉しんだ後、CDが出来上がる間を利用して水中観測室からも珊瑚や魚を観察した。

長い桟橋を歩いてグリーン島上陸。
島の入口の一画にホテル、レストラン、土産物店、プールなどが集中していて、数分歩けば繁華な風景は尽き、うっそうとした密林に遊歩道が伸びている。
ちょうどお昼時。みんなでホット・ドッグと飲み物を買い、木陰のテーブルで昼食を摂った。
帰りの船は午後4時30分発。それまで別々に自由行動することにした。
別々にと言っても小さな島。小径を抜けてビーチに出ると、優雅に日傘をさしたZさんに会う。森の遊歩道を歩いていると、KさんTさん姉妹と合流する。
時計回りに森の中の遊歩道を歩いて行った。浜に出る小径が随所にあり、そのたびに出てみる。
シュノーケリングをしている人、ビーチバレーをしている人、昼寝をしている人、愉しみ方はいろいろである。
長編ミステリーでも読みながら、日がな寝そべっていたい感じだった。
人が少なくどのビーチも静かだった。しかしそれだけではない静けさが…、そうだ!珊瑚礁に囲まれているので打ち寄せる波音が無いのだ。
日差しが気になり、砂の上を歩くのに疲れると森に入る。そうして島を1周した。
ホテル前の広場に戻ると、Zさんはビールを飲みながら旅のしおりにメモしていた。Kさん、Tさん姉妹も戻ってきた。
どうやら島を完全1周したのは私だけらしい。


ここで、自分にとってこの旅最大のアクシデントが!
ソフトクリームでも食べようかとバッグを覗いて、カメラが無いことに気づいた。
中身を全部出してみたが無い!最後に使ったのは…、広場の隅のベンチで画像確認した時だ。15分以上たっている!
走ってそこに行ってみたが無い。カメラ本体より、旅の初日からの画像を失うことの方がショックだった。
すると、「カメラを探しているんじゃないですか?」と背後から女性の声、しかも日本語で。振り向くと2人連れの女性がいた。
「絆創膏を貼ったカメラ、インフォメーションに預けておきましたよ。」
「ありがとうございます!」
シーフード・レストランで落としてから、バッテリーの蓋を絆創膏で留めて使っていた(現在もそのまま)。
取り急ぎインフォメーション・センターに駆けつけた。
「I lost my camera.」「O.K.」と係員がカメラを差し出した。「One dollar.」
「I see.」と財布を出すと、「No. Joke.」係員はニヤリと笑って渡してくれた。
冷静だったら落し物の引き取りが有料なのは変だと思っただろうが、無事戻った嬉しさで見事に引っかかった。でも愉快だった。気分は10ドル払っても惜しくなかった。
改めて届けてくれたお二人の所に戻ってお礼を言った。
「お礼にせめてビールかジュースでも。」
「いえ、もう船の時間なので。」
「同じ船です。どちらから?」
「広島からツアーで。」
戻ってきたカメラでお二人を撮ったが、ここを見てくれることはないだろう…。
どうもありがとうございました!
「船で携帯の忘れ物を届けたお返しよ。」三人に言われ、確かにそうだと思った。

桟橋で船を待つ間、三人の乙女は申し合わせたように同じポーズでグリーン島を見つめていた。その背中は同じ想いを語っていた。
船中で、カメラを拾ってくれたお二人がいないか見まわしたが見当たらなかった。
ビーチで立ち話した日本人青年も同じ船だと言っていたが、見当たらなかった。一期一会の縁。
ケアンズに戻ると町は黄昏。俄かに旅の終わりを実感した。明日は日本に帰る…。
私たち4人だけと言いながら、港までの送り迎えをMさんにしていただき、トラブルの起きようがなかった

最後の夕食はMさんの手料理でグリルチキン。デザートのチョコレート・ムースも手作りだった。コアラのクッキーがさりげなく添えられ、器も和の食器を上手に使って、目にも舌にもmarvelous!

ケアンズの旅 4日め早朝(テスとの散歩)

2010年01月25日 | 


今日はグリーン島観光。
早起きしたので、出かける前にテスと二度目の散歩をした。
これまで犬を飼ったことがなく、散歩させるのも昨日が初めてだった。
テスにもそれがわかっていたのか、散歩に連れて行くというより、彼女に近所を案内されたような感じだった。

この辺りはジャングルの入口といった感じで、公園の看板にも世界遺産を示す「Wet Tropics World Heritage Area」の文字があった。
うっそうとした木々の間をバロン川の支流と思われる小川が流れている。
鳥のさえずりが聴こえたが、ワライカワセミらしき鳴き声はなかった。
(画像はMさん宅玄関ドアのガラス絵)
散歩から戻ってくると、家の前にかわいいシャワー・カー(?)を牽引した車が停まっていた。
テスのシャワーの予約日だったが、私たちの訪問で曜日を間違えていたと、Mさんがホッとした表情で立っていた。
散歩を早めに切り上げてよかった!
テスは大喜びで跳び乗り、気持ちよさげにグルーミングを受けていた。
さっぱりして、いっそうきれいになったテス。

さあ、グリーン島へ。
港まではMさんに送っていただき、それからは初めて私たち4人だけで行動する。
大丈夫かな?

ケアンズの旅 3日め(アセトン高原)

2010年01月24日 | 


起床すると暖炉に火が入っていた。
朝食もベランダでいただき、残ったご飯をワラビーにあげ、コテージを後にした。
さあ、アセトン高原の観光スポットへ。
本日も天気晴朗、気分爽快。
Mさんのご主人の運転で終始快適なドライブだった。
車窓から石灰質の岩のようなものが目についた。シロアリの巣だとMさんが教えてくれた。大きい!と驚いたが、念のために調べてみると、オーストラリアには高さ3メートル以上のアリ塚もたくさんあるそうだ。
 
最初に訪れたのはミラミラ滝。
丸い滝壺を擁した優しい感じの滝だった。もっとも水量の少ない乾季だからかもしれない。
後日談になるが、12月にMさんからクリスマス・カードが届き、ここでみんなで撮った写真をマウスパッドにしたものが同封されていた。
滝の飛沫をバックに「白浪五人男」ならぬ「白浪五人女」の大見得。
Mさん、ありがとう! 愛用してます。

次に行ったのがカテドラル・フィグツリー。
無数の長い根に囲まれて、人が何人も入って行ける空間ができていた。
写真右は、その中央部から真上を見上げたもの。
カテドラル(大聖堂)に見えなくもない。ガウディ建築の…。

 
次はバリーン湖。
火山によってできたカルデラ湖で、周囲の熱帯雨林も含めて世界遺産。
静かな湖面を遊覧船がのどかに走っていた。青い空と湖をバックにパウダーパフ(これもピッタリの花名)のピンクが綺麗だった。
カテドラルと並んで有名なカーテン・フィグツリーへも行った。
まさにドレープたっぷりのカーテンのようで見事だった。
どうしてこのような形状になるのか、説明している看板があった。
辞書を片手にざっと訳すると、親木の高いところでイチジクの種が芽を出し(どうやら鳥の置き土産=フンに混じっているらしい)、最初の根が地面に向かって下って行く。
地面に根づくとさらに成長し、空中の根が親木に絡みつき、やがてはその木をstrangle(絞め殺す)し、腐らせてなぎ倒し、隣の木に移って同様に成長していったらしい。(誤訳でないことを願う。)


昼食をする店に向かう途中、「ピーナッツワールド」というお店、木工アートのギャラリーに立ち寄った。
写真はギャラリー。入口にあった人形が可愛くてデジカメに収めた。
髪は使い古しのブラシ、目は豆電球、ピアスは窓の鍵、足はスケボー。


昼食はスカイバリーコーヒー園。
広大な景色を望むテラスで、美味しいコーヒーとサンドイッチ。
考えてみたら食事はほとんど屋外で食べている。なんとも気持ちいい。

Mさん宅に戻って来たのは午後3時過ぎだった。
夕食は女性5人でシーフード・レストランへ(ご主人はお留守番。スミマセン!)。
出かけるまでに時間があったので、テスを散歩に連れて行った。
私たちが訪問して、日課の散歩をしてないようで申し訳なかった。
Mさんが首輪にリードを付けると、テスは大喜び。
しかし、私がリードを持つと戸惑った表情に。
「ごめんね。大好きなMさんじゃなくて。」
散歩は翌朝もしたので、そちらでまとめることにする。

シーフード・レストランでも数人の日本人の男女が働いていた。
ロブスター、生ガキ、ホタテ、魚、サラダ…、どれも美味しかった。
この時デジカメを床に落として、バッテリー、SDカード装填部分の蓋が壊れ、画像があまりない。
ほとんど食べ尽くした皿で恐縮だが、注目していただきたいのは皿が載っている透明の台。
上に料理の皿(滑り落ちないようにゴム製のストッパーが付いていた)、下にエビや貝の殻を入れる皿が置け、卓上がすっきりしていた。
日本の居酒屋などにもあるのだろうか?

明日はグリーン島観光。チケット・ビューローで往復乗船券の購入を済ませた。


ケアンズの旅 2日め(コテージ泊)

2010年01月23日 | 

アセトン高原は標高が高いだけにいくらか涼しかった。
(サイトでは「アサートン高原」と表記しているが、「アセトン」の発音がより近いということなのでそうする。)
そろそろコテージに着くという辺りで、何が原因だか道路の片側を塞いで一本の木がなぎ倒されていた。
これがその日の夜をドラマチックに仕立て上げる名演出家だったことを、私たちはその時知る由もなかった。

  

山小屋風のコテージは、うっそうとした森の中、専用ゲートを開けてさらに奥まった所にあった。
 
        
私たちを迎えてくれたのは、野生の七面鳥とワラビーだった。
人を怖がらず、備え付けの餌を撒くとすぐ近くで食べる。
右端の画像は夕食後にベランダに上がってきたワラビー。
接写できるほどに、掌から餌を食べるほど近くに寄って来た。

  

コテージは洗濯室も完備しているくらいだから(玄関写真の左のドア)、2泊以上でなければ借りられないらしい。どうやらそれをMさんが交渉して特別1泊OKになったようである。感謝!

裏手には川が流れていて、運がよければカモノハシに出会えるそうだが、残念ながら現れてくれなかった。

夕方到着したので、さっそく夕食の支度に取り掛からなければならない。
Mさんのご主人が運び込んだクーラーボックスには、ご飯、味噌汁、ふるさとの味チキン南蛮、サラダの材料が入っていた。
ところがここで問題発生! 電気が点かない! 停電である。
部屋の明かりはもちろん、炊飯器も使えない。ガステーブルの種火も電気である。
もしかしてあの倒木が電線を切断したのかも…。
管理人に問い合わせると果たしてその通りで、復旧に時間がかかるとのこと。


しかし手をこまねいて待つのではなく、工夫して行動するのが主婦である。
Tさんは、普段からお鍋でご飯を炊いているのでまさに本領発揮。
暮れなずむ中、ありったけの懐中電灯とろうそくで手元を照らしながら、予定のディナーは滞りなく完成。(Tさんにいただいた画像使用)

今夜も食事はベランダで。
車の音も人家の明かりも全く届かない隔絶された森の中、ろうそくを灯しての食事はむしろその時その場にふさわしかった。
旅の思い出は、こういうアクシデントこそ印象深く忘れないものである。
私たちは大いに停電を愉しんだ。
そろそろ食事が終わる頃、電気が復旧した。


夜が更けてくると夜気は涼しさを超えて肌寒かったが、上着を着込み、ハンモックにミノムシの如くくるまり、Kさんとベランダで語り合った。
この年になると、話題は「来し方行く末」である。