
母が送ってきた毛糸に編みかけのものがあった。
かぎ針でベストを編み、半分ほどでやめている。
ほどいてみると長年のクセでちぢれ麺のようになっていた。
かせに束ねてぬるま湯で洗い、柔軟仕上げ剤で濯ぎ、陰干しした。
生乾き状態でアイロンのスチームをかけたが伸びない。
アイロンを押しつけ、引っ張るようにかけていくと伸びはするが薄く平たくなる。
試しに蒸し器にかけてみたが、それでもダメだった。
と、そこで突然思い出したことがあった。
昔、毛糸再生器を買って使っていたではないか!
アルマイト製(?)の小鍋で、蓋の中央に毛糸を左右に通す穴があり、お湯を沸かして蒸気を当てながらゆっくり毛糸を引いていくやり方だったと思う。
捨ててはいないと思うが、もう20年以上見ていない。
押入れの奥深く眠っているのだろうか?
同時に、そんな物を買うほど凝っていたのかという思いもある。
検索してみると、手芸家の方のブログ記事にあった。
そう! これ! 箱も製品もまったく同じだ。懐かしい!
「欲しい方は周りの60代以上の方に聞いてみると良いですよ。」の一文に苦笑した。
https://ameblo.jp/snb1129cjm/entry-12317559602.html

原理は同じである。
別に食べたくはなかったが桃の缶詰を買って空き缶を用意した。
逆さにして使うので、底から3センチほどの側面に、向かい合わせで2つ穴を開けた。
鍋でお湯を沸騰させながら、毛糸を通した缶を伏せて置き、ゆっくり引いていく。
左からちぢれ麺で入った毛糸が、缶の中で蒸気を浴び、右の穴から素麺のように出てきた。
効果絶大である。


布のはぎれもそうだが、わずかな残り毛糸もなかなか捨てられない。
いつか編み込みをする時、あの色があれば…と思うことがあるかもしれない。
そして 、少量でもいつか誰かを暖めうるかもしれない。
(…? 聴いたことのあるフレーズ)