
14日。早朝に目覚めたので一人で奈良公園の散策に出かけた。
駅前からバスに乗り、広い芝生と鹿が見えてきたので適当に下車。
午前7時過ぎなのにすでに観光客がいる。
最近のマイブームはYouTubeで外国人の日本旅行動画を見ることだが、美しい風景や美味しい和食、クールなお土産などに感嘆しているのを見ると我が事のようにうれしい。
その中で奈良公園の鹿にせんべいをあげる光景も何度も見た。
地獄谷温泉の猿も、どこかの島の猫もウサギも確実に「おもてなし」に一役買っている。
芝生を横切って東大寺南大門に着いた。
金剛力士像の吽形は修復中で、プリントしたカバーが掛けてあった。
中門から先が有料だが何人もの観光客が入っていく。
せいぜい9時あたり開門と思いきや、4月~10月は7時半から拝観できるという。
時計を見ると8時近い。8時半に朝食と決めてきたので出直すことにしてホテルに戻った。
朝の奈良公園
東大寺南大門
南大門の金剛力士像(阿形)/吽形は現在修復中/中門の多聞天/持国天午前10時にチェックアウトして近鉄奈良駅に向かい、そこで橿原市へ行く夫と別行動になった。
夕方5時前後に京都で落ち合うことにした。
「京都はこれから来ることがあっても奈良まではなかなか脚を伸ばさないから、奈良を重点的に観光した方がいいと思うよ。」
夫のアドバイスに同感したが、気分次第、成り行き任せ、どうなることか。
まずは何より
興福寺の国宝館(撮影不可なのでクリックを)である。なんとしてもここには来たかった。千手観音菩薩、阿修羅像を代表とする八部衆などの国宝・重要文化財が収められている。
2009年に上野の東京国立博物館で開催された「阿修羅展」以来の再会である。
そう広くはなく展示物も多いとは言えないが、配置が素晴らしくてドラマチックな見せ方をしている。
自分は信心深いとは言えず、仏教の宗派の違いもよく分からず、仏像も建物も御朱印もアート的な捉え方で、「拝観」も「拝」よりもっぱら「観」に重きを置く不届き者だが、それでも像と対峙すると心が浄められる気になる。
順路に沿って見終えたが、もったいなくてもう一度引き返し、時間がかかってしまった。
奈良に入った時「興福寺北円堂期間限定特別開扉」のポスターを見た。
運慶の代表作が収められており、絶好の機会。しかし午後1時半オープンで残念ながらそれまでは待てない。
代わりに御朱印「千手観音」に加えて「北円堂」もお願いした。
因みに御朱印の料金はどこも一筆(でいいのか?)300円だった。
興福寺東金堂
五重塔/南円堂/興福寺の御朱印2種
興福寺の境内を横切っていると、足のつま先が猛烈に痛くなった。朝の散歩の時には「昨日歩いて足がむくんだかな?」という程度だったが、それがひどくなったのだ。
これから東大寺と春日大社を予定していたが、広い境内はバスやタクシーという訳にはいかない。
考えあぐねていたのがたまたま通りのバス停のそば。そこに折しも駅行きのバスが停車した。
「そうだ、京都行こう。」
思わず跳び乗ってしまった。