世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手の防衛戦が、5月4日(日本時間5日)ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われた。
対戦相手はWBA2位のラモン・カルデナス(米)。
今回の配信はAmazonプライムビデオだったので観戦できた


大方の予想は井上圧勝で安心して観戦していたら、2ラウンド1分40秒あたりにカルデナスの右ストレートが顔面を掠め、井上が鼻血を出した。
「えっ!?」
思わず背もたれから身を乗り出した。
そして2分45秒、左フックを右脇腹に浴びダウンを喫した。
「えっ!? えっ!?」
「ダウンを想定しての練習メニューもある。」
以前読んだ雑誌のインタビュー記事で、彼はそう言っていた。
強烈なグルグルバットをして三半規管にダメージを与え、リングにしゃがみ体勢を整えるシミュレーションをするのだそうだ。
焦って立つようなことはせず、カウントギリギリまで待ってダメージ回復をすると。
井上はリングに膝をついたまま「大丈夫」と言うように右手を軽く上げ、レフェリーのカウントをしっかり確認して立ち上がった。冷静沈着!
焦っているのは応援しているこちらである。
椅子の背にもたれている場合ではない。3ラウンド以降正座して、ハラハラしながらの観戦だった。
ペースを取り戻し、7ラウンドに右ストレートが相手の顔を捉えてダウンを奪った。
そして8ラウンド45秒、カルデナスをロープ際に追い詰め連打を浴びせ、レフェリーが割って入ってTKO勝利。
見応えのある試合だった。