

7月21日にプレバト俳句の炎帝戦が放送された。
この番組では年4回のタイトル戦がある。
春の「春光戦」(2018年までは「俳桜戦」)、夏の「炎帝戦」、秋の「金秋戦」、冬の「冬麗戦」で、いずれも季語を冠している。
2021年春光戦までは名人・特待生だけの出場で、前回の上位数名がシード。残り枠を予選で勝ち上がって10名前後で競うシステムだったが、昨年の炎帝戦では違う方法で行われた。
過去に番組に出演して「才能あり」を獲得したすべての人に参加資格があり、応募期間中に兼題の俳句を提出エントリーし、上位者が出場できるというものである。
また今年1月の冬麗戦は、昨年詠まれた全364句の中から優秀句を詠んだ14名が参加し、ここでも名人・特待生以外に4名が選ばれていた。
今回は昨年の炎帝戦と同じ方法で、231名のうち58名が投句エントリーし、上位15名が出場資格を得て行われた。
名人・特待生以外では4名が選ばれた。
兼題写真は「スマホのメール表示」で、順位と夏井先生の解説、添削は以下の通りだった。
1位 産声送信 ドバイは大夕焼 中田喜子(名人6段)
【自 解】海外赴任した夫婦に子供が産まれ、日本にいる両親に産声を送るというもの。
赴任先はドバイで、季語は「大夕焼」がふさわしいと思った。
【解 説】褒めないといけないのは写真ではなく産声を送ったということ。新鮮でリアリティがある。
そして兼題写真のメール件数③にもしっかり寄っていて、まず産声、次に写真と思わせる。
赴任先のドバイのチョイスもよく、季語「大夕焼」はドバイの広がりとともに、生まれたという安堵、喜びなども示唆している。
一句の奥行きに気持ちのいい光景が広がっている。
2位 恋を終わらせ 平日の 海月(くらげ)見る 犬山紙子(特待生5級)
【自 解】もう別れようかと悩んでいた恋人に「別れましょう」とメールをしたものの、まだ気持ちはふわふわしていて、お勤めを休んで水族館に行き、クラゲを見て癒されたというもの。
【解 説】別れのメールを送った後、相手はまだ未読の時の宙ぶらりんの状態なども想像できる。
傷心でお休みし、水族館で見たのが「海月」という選択がよかった。揺れ動く失恋の心を水族館の冷ややかさと薄暗い空間が癒してくれる。そして、通常俳句に「見る」と書く必要はないが、ここでは必要である。ゆらゆら揺れるクラゲの向こうに、自分の心を見つめているような気持ちも描かれている。
3位 メールぴこんぴこん シャワー中だってば 森口瑤子(名人初段)
【自 解】メールやラインはすごく便利ではあるが、時には自由を奪われたような気分になることもある。
入浴中に続けざまに着信音が聴こえた時のことを詠んだ。
【解 説】こういうやり方もあるかと思った。
何より「ぴこんぴこん」が上手い。オノマトペにリアリティ、実感があり、読者の耳にもちゃんと聴こえてくる。
「だってば」もいい。ちょっと甘えた大人かわいい感じがよく出ている。
4位 羽蟻わく 今宵ロマンス詐欺メール 東国原英夫(永世名人)
【自 解】羽蟻とは繁殖期に羽が生えたアリやシロアリのことで家を侵食していく。
ネットにいかがわしいデートメールや出会い系のメールが何件も湧いてくるように届き、寂しい心の隙間に侵入してくるようである。
【解 説】大げさで少々やりすぎの感もあるが、この内容ならここまでやらないとバランスが取れないので思い切ってやるしかない。
「わく」という動詞がいい。今まさに人の知らない間に密やかに家の中を食い始める羽蟻。人の心を食い尽くすように忍び寄ってくる詐欺メール。それを「わく今宵」でちゃんと押さえている。
5位 アルパカを 返す手配り 雲の峰 藤本敏史(名人10段)
【自 解】動物番組でタレントさんがアルパカと生活し、ロケの終了でスタッフが動物プロダクションに返す手配をしているという情景を詠んだ。
【解 説】アルパカと季語「雲の峰」を取り合わせた句がないわけではない。ただ中七にオリジナリティがある。
「手配り」に兼題のメール・スマホを使って連絡を取り合っている様子が想像できる。
6位 白雨(はくう)受く ネットショップの 段ボール 安藤和津
【自 解】物をネットで買うことが当たり前になって、どこの家の玄関前にも段ボール箱が積み上げてある。我が家も同じである。
突然の雨でその段ボール箱が切なく悲しげに濡れそぼっていた時の情景を詠んだ。
【解 説】中七下五のフレーズについては、今どきのことで類想のような句がないとは言わない。
しかし誉めなければいけないのは上五が上手いということ。
季語の「白雨」は雲が明るい空から降る雨で、にわか雨のイメージが強いが、「白」の一字が負の印象を強くしない。
さらに動詞「受く」を選んで軽く受け止めている感じがよい。
今どきのコロナ禍の置き配という新しい文化を描いている。
7位 緋ダリアや 「メール不達」の メール来る 千賀健永(名人6段)
【自 解】昔お付き合いしていた女性にメールしてみようと送ったら、「送信できません」という不達メールが来た。
その寂しさを季語の「ダリア」の緋色のものと取り合わせてみた。
【解 説】取り合わせた季語がいい。ダリアは好き嫌いが分かれる花で、赤は情熱的な感じを持つ人もいる反面、不穏なイメージを持つ人もいる。
それが中七下五のフレーズとそこはかとなく響き合っている。
もったいないのは上五で、「や」と詠嘆するより
添削 ダリアは緋 「メール不達」の メール来る
としてもよい。そうすると、ダリアはいろんな色があるが緋色。スマホの中にはいろんなメールが届いているが、送信できなかったメールが今画面にあるという対比になる。
8位 社食から花火 原稿音読す 久代萌美
【自 解】花火大会を見に行く予定があったが、急遽メールでシフトが送られてきて、深夜のニュース番組対応をすることになった。
社員食堂で原稿の下読みをしながら、東京湾の花火を窓越しに見たという体験を読んだ。
【解 説】メールとか携帯とか一言も書いてないが、「社食」で自分は花火大会に行けず仕事をしているとわかる。
語順は手元の原稿から入った方がよい。そして「音読」は子どもの国語の宿題のようなイメージもあるので、
添削 原稿を下読み 社食から花火
にするとよい。
9位 月見草 文箱の底に 出さぬ文 梅沢富美男(永世名人)
【自 解】メールから手紙に発想を飛ばした。
夜に書いた手紙を朝になって出そうか迷い、結局出せないまま文箱の中にしまう女心を詠んだ。
夜に咲いて朝方にはしぼむ「月見草」と取り合わせた。
【解 説】季語に「月見草」を選んだのがよい。夜に密やかに咲いて朝には萎んでしまう。
それによって、手紙は恋心をしたためたようなものではないかと想像させる。
ただ、迷って出さない手紙が残っているという発想の句は、俳句の世界ではたくさんある。直す必要はないが普通の句だった。
10位 夏の雲 逝くな逝くなと 文字叩く 勝村政信
【自 解】友人の奥様の葬儀があった。空には夏の雲が浮かんでいた。
みんな無言でスマホを叩いていた。ふと、メールしたらあの雲に届くかもしれないと思った。
【解 説】「夏の雲」「入道雲」「雲の峰」などの季語と人の生き死にを取り合わせた句がないわけではない。
しかしこの句には妙な切迫感ある。そして「文字叩く」は決して上手い表現とは言えない。むしろ稚拙ささえある。
しかし、そこにリアリティがあり、この句の魅力、力になっている。
ただし上五の「夏の雲」が妙に落ち着いている。ここは詠嘆した方がいい。
添削 夏雲や 逝くな逝くなと 文字叩く
今回自分がいいと思った俳句は、2位の犬山紙子さん、3位の森口瑶子さん、6位の安藤和津さんだった。
10位以下は順位だけで俳句の発表はされなかったが、TVerで公開されるとのことだったのでチェックした。
11位 夕涼の竹富 未読メール百 かたせ梨乃
12位 晩涼のRe:Re:Re: セットリストの見せ場 横尾渉(名人10段)
13位 故人との 弾みしメール 夜の秋 千原ジュニア(名人10段)
14位 真夏来て サブスクの trf ミッツ・マングローブ(名人2段)
15位 風鈴鳴る 千の躊躇を 弔って 村上健志(永世名人)
新しいブログの設定をあちこち覗いている。
開設当初に選んだテンプレート画像は「海」で、7月だからと安直に選んだが、どうもしっくりこない。
旧「言の葉」のテンプレートはいたく気に入っていた。
たまには変えてみようと思ったこともあったが、新着が追加されてもこれに勝るものがなく、背景色を季節ごとに変えながら13年間ずっと使った。
「メモ帳」「
カメラ」「
コーヒー」はブログ投稿の必要アイテムである。
最近はデジカメの出番が少なく、もっぱらスマホでの撮影ではあるが。
大満足というわけではないが似たものがあり、秋口から使おうと思っていたテンプレートに変更した。
両者の設定は自分にとっては一長一短で、これは旧がよかった、これは新の方が使えるという感じである。
こちらのテンプレートは画面全体型になっていて、トップの画像が気に入ってもページ全体の配色やレイアウトが好みでなかったりする。
旧はトップ画像だけで(もちろんオリジナル画像もアップできた)、他はスペース毎に好きな色にでき、色も140色から選べた。
タイトル文字も色指定でき、サイドメニューの順番も変更できた。
画像の配置はWordで言うところの「折り返し」ができ、これは重宝した。
長年慣れ親しんできたからか、こちらはまだ理解しきれてないからかもしれない。
テンプレートに「カスタム」があるので、それで何かできるかもしれない。
旧ブログは8月1日には雲散霧消してしまうので、記念に設定画面をスクリーンショットして記録しておこう。(たぶん構わない?)
開設後しばらくして気づいたのだが、画像をクリックしても拡大表示されない。
旧ブログからデータファイルを丸ごとインポートしているが、そこまでの機能は含まれていないのだろう。
サムネイル設定の画像だけでも新たにアップロードして取り替えるしかないのか?
一体何枚あるのだろう!?