sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ミルコの光

2012-08-11 | 映画


1970年代イタリア、事故で目の見えなくなった10歳の少年が
盲学校で見つけた録音再生機で音を集めて音の作品を作っていく話。
(イタリアでは1975年まで、目の見えない子どもは
法律で普通学校には通えなかった。
全寮制の盲学校しか選択肢はなかったそうです。)

とても繊細な映画で、びっくりしました。
詩のような映画ってときどきあるけど、
そんな感じです、耳をすませたくなる映画。
わたしは「目の人」なので耳があまり開いてなくて、
よく聴くというのが苦手だけど、こういう映画を見ると、
もっと注意深く、よく見てよく聴こうと思う。
美は細部に宿るし、
細部はよく見るところに、
どこでもいつでもあるんだなぁと思い出す。

支配的で子どもたちに夢を持つこと、
可能性を信じることを許さない校長が出てくるけど
この校長自身も、自分が目が見えなくなって
傷ついてきたせいでこうなってしまった悲しい人なのだな。
そしてミルコたちの可能性を信じる素晴らしい先生もいました。


10歳の子どもたちの会話には
映画「小さな恋のメロディ」のエッセンスもあって
かわいくてきゅんとする。
「ずっと恋人でいてくれる?」
「うん。」
「将来別の子と知り合っても?」
「興味ないよ。・・・」


そして映画館も出て来て、映画に対する愛情がたっぷり感じられるのは
主人公のミルコが、後に実際に映画音響編集の人になったからでしょうか。

原題は、rosso come il cielo (←スペル怪しいw)
イタリア語は知らないけど、
フランス語の rouge comme le ciel(←これもスペル怪しい)だよね。
英語だとred like the sky 、空のように赤い。かな。
「ミルコの光」という邦題は悪くないけどイマイチかも。
原題は、生まれつき見えない子に「色ってどんな?」と言われて主人公が答える一部。
「自転車を飛ばしたときに頬にあたる風の色!」と答えるのです。
だからいっそ、「頬に当たる風の色 」とか、
そういうタイトルの方がいいような気もしますね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿