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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:私の想う国

2025-01-16 | 映画


チリの2019年からの民主化運動のドキュメンタリー。
チラシや予告でかなりフェミニズムに特化してる映画かと思ったけど全然違う印象でした。
インタビューされてるのは女性ばかりだけど、デモの記録映像は、女性の人権という枠にとどまらず
とにかくすごい熱と勢いを感じてチリの政治に無知なわたしはびっくりした。
ただ冒頭の命をかけて戦ってるという女性が政治も政党も関係ない、
息子のためにやってるのだというところだけは、いやいやそれこそが政治なのよ、
政治は自分に関係ない難しいことみたいに思わないで、言わないで、とは思ったけど。

チェスプレイヤーの女性の言葉がいくつか記憶に残った。
「みんな言わないけどチェスではクイーンは象徴のようなもので、
1番大切なのはポーン、数が多いからさまざまに動いてなんでもできる」
「チェスは戦いでもあるけど人と向き合う対話でもある」と、
民衆の力の大きさとその可能性、そして対話の大切さを明るく聡明な調子で述べてた。
ただこの映画の中で希望として語られていた新憲法はその後ちょっと急進的すぎると否決されたそうで、
いっときの熱気が冷めると人は保守的になってしまうものなのかな。
あるいはどんなに多くの人が怒って憤っていても、
世の中は一部の富裕層がうごかしてしまうのかな…

しかしチリのデモ、すごいなぁ。御堂筋を本町から心斎橋まで埋め尽くすような人、
砕いた小さな石をコツコツ鳴らす音が大きくなってついには倒れる壁、
音楽に乗ってみんなでぴょんぴょんジャンプする地下鉄デモ、
黒い目隠しをした数百数千の?女たちの叫び(軍隊から目を狙われた人が多かったようです)、
どれもとても熱く切実で、印象的だった。

10年前に見た映画→「怒れ!憤れ!ステファン・エセルの遺言」のデモのシーンを思い出す。

2019年、突然チリのサンティアゴで民主化運動が動きだした。その口火となったのは、首都サンティアゴで地下鉄料金の値上げ反対がきっかけだった。その運動は、リーダーもイデオロギーもなく、爆発的なうねりとなり、チリの保守的・家父長的な社会構造を大きく揺るがした。運動の主流となったのは、若者と女性たちだった。150万の人々が、より尊厳のある生活を求め、警察と放水車に向かってデモを行ったのだった。
それは2021年36歳という世界で最も若いガブリエル・ボリッチ大統領誕生に結実する。
目出し帽に鮮やかな花をつけデモに参加する母親、家父長制に異を唱える4人の女性詩人たち、先住民族のマプチェ女性として初めて重要な政治的地位についたエリサ・ロンコンなど、多くの女性たちへのインタビューと、グスマン監督自身のナレーションが観客に寄り添い、革命の瞬間に立ち会っているかのような体験に我々を誘う。

50年前は政党や労働組合等の団体が主導の運動であったが、21世紀の革命は、リーダーもイデオロギーもなく、政党とも無関係で、主体となったのは、若者や女性たちだった。かつては、政党や組織が主役であったが、今回は家父長制度が色濃く残るチリ社会の中で抑圧され続けた女性たちが主役であった。グスマンは、かつての社会運動との相違点に戸惑いながらも、女性たちが主役となり、150万人の人々が、より尊厳ある生活を求めて、警察や軍隊に立ち向かう姿に感動し、50年前に自分が想像した民主的な国になろうとしているチリの姿に感動する。この社会運動は、2022年に左派勢力の当時36歳のガブリエル・ボリッチが大統領選で勝利することにより結実する。グスマンは、自分たちの失われた歴史が受け継がれ、理想の国を作っていこうとするチリの姿に大きな期待を寄せる。
(公式サイトより)

公式サイトには、チリについて知っておきたい基礎知識や、この映画の後のことが
がわかりやすく書かれています。
→公式サイト

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