sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう

2023-12-15 | 映画


ジョージアの映画はたくさん見たわけじゃないけど、今まで見たものはハズレがないので
150分の長さに負けずに見に行ってしまう。そしてやっぱりジョージア映画だなぁと満足する。
本当にしみじみと全てのシーンが良い。

すごくテンポがゆっくりで、物語に関係ない通りすがりの人を延々映したり、
小さい人や車が動くだけの遠景の風景を長々と映したり、
そりゃ150分かかるわ!というのんびり具合だけど、
ほとんど動かない上に話に関係ないシーンを長々と挟まれても、
色と構図と光とタイミングと意味のちゃんとした裏支えがあると
映画としてカラフルになって深みが出ますね。

お話は荒唐無稽というかちょっとヘンテコで、舞台はジョージアの古都クタイシ。
とある男女が偶然に2度すれ違ったことで好意を持ち。初めて会う約束をしたのに
その夜に呪いにかかって容姿が変わってしまい約束の場所に行ってもお互い相手がわからず
待ちぼうけで出会えず、お互いに気づかないままちかくにいて・・・という話。
でもミステリーでもサスペンスでもファンタジーでもない、なんだかとぼけた味わいの話です。
呪いとか、木が話しかけたりとか、ファンタジー?寓話の世界?と思ってもどうも違うし、
容姿が変わった二人も最初こそ驚いてショックを受けるものの
なんか淡々とその容姿で日常を生きていくし、全体的にオフビートなユーモアがある。

あと、野良犬たちもいい味だった。野良犬の多い街なのかな?
映画作る人たちも出てきて、その人たちが重要な役割を果たすんだけど
不思議な設定の中で、その辺の人たちは割とリアルで面白い。
全体的には牧歌的な人生讃歌のように見えるゆったりした映画なのに
途中何箇所かで唐突に入るナレーションが、現代の世界の惨状への苦しみであったり
回収されない伏線がいくつもあったりして、
(あるインタビューで監督はそういう点はいくらでも説明できます、と言いつつ
結局そこでも何も説明してなかった。笑)
映画の世界に整合性を求める人にはもやもやする映画かもしれない。
予告編にある足元だけを映したシーンも、すごく印象的だけど
主人公たちの顔が映されないと、微妙なフラストレーションがたまりもする。
でもわたしはすごく好きでした。
全部、なんとなくとぼけた味わいと思って、ぼんやり受け入れればいい。

そしてあまりによかったのでパンフレットって2年に一度くらいしか買わないのに、これは買ってしまった。
映画に出てくるハチャプリというジョージアの丸くて薄いのレシピもついてて、
前に「デリシュー」ってフランス映画でデリシュというすごい美味しいもののレシピがサイトにあったんだけど
ハチャプリの方が簡単そうで、作ってみたい。
フォッカチャっぽいパンだけどヨーグルトをたくさん使うのよね。美味しそうです!
映画の中でこのハチャプリをラップやビニール袋でなく布に包んで持ち歩くのも、すごく好き。

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