ジョニーデップが出てるし、英語でやるのかと思ったらちゃんとフランス語喋ってたし、
フランス王の役にすっかりハマっていて想像以上に良かったです。
ただヒロインのジャンヌの役は、見ていてずっとつらかった。
美貌と知性で王を虜にした役なんだけど、そのヒロインがいわゆる絶世の美女でなくてもそれはいいんですよ。
(ちなみにマリーアントワネットは肖像画からそのまま抜け出したような幼さの残る可愛らしい女優さんで
少女の無邪気も、不安も、流されやすさもぴったりですごく良かった)
美貌ではなく、知性と生き生きした自由な心で王に愛されたという話ならわかる。
でも映画を見る限り、その「美貌」は感じられないのです。
容姿だけでなく演技にも美しさは感じられなくて、生き生きと少女のように笑うシーンが多いのに
わざとらしく若ぶった笑いに見えるし、立ち居振る舞いの美しさや(どたどた走る…)
滲み出る魅力というものを感じられず、
素晴らしい衣装やベルサイユ宮殿なのに、どうにも集中できなかった。
他のキャスティングは良いだけに、監督自ら美貌のヒロインを演じようと思ったのか?
国王の娘たちを類型的な「意地悪なブス」に描きながら自分を絶世の美女に設定したのはなぜ?
まあ、おそらくこの映画で彼女は容姿について酷いことをたくさん言われるだろうし、
わたしまでそれは言いたくはないんだけど、ミスキャストはミスキャストです。
自分の女優としてのプロモーション映画を作りたかったのかしらん…
映画全体としても、このキャスティングのミスが響いて見終わった後に
美しい美術以外あまり何も残らない感じが残念。
いや、美術があれだけ美しかったら、それでいいか。
あとは、デュ・バリー夫人といえばベルバラの悪者の印象が抜けきらないこちらの問題もあるか…
この人が監督した「モンロワ」という映画を昔見て、それはすごく良かった。
ヴァンサン・カッセルが魅力的なダメ男役で出てる時点で、涎しか出ないしな。笑
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