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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:HOKUSAI

2021-09-23 | 映画


ゴッホの生涯を知ってるのに北斎がどういう人か知らない日本人が結構いそうで
それはもったいないことであるなあ。
わたしは普段日本(の主に政治と差別)に怒っていることが多いですが、
日本にも素晴らしいものはたくさんあって北斎もそうだから、
ゴッホもいいけど北斎のことも知っておこうよ、と思う。
そういえば数年前に見た大英博物館プレゼンツ北斎のドキュメンタリー映画は良かったなぁ。
北斎が好きすぎるイギリス人の浮世絵研究者のおじいさんが北斎のことを語ろうとすると
すぐ感極まって泣きそうになるのがちょう素敵でかわいかった。

映画「HOKUSAI」は2時間以上の尺なんだけど、絵描きの業を掘り下げる感じはなくて、
規制の強くなった江戸時代の表現の自由を求める絵描きたちという感じがテーマっぽいかな。
日本画専攻の者としてはいろいろと物足りない。
北斎の娘を描いたドラマ(宮崎あおいちゃん主演)やアニメ「百日紅」はどちらも
絵描きの業がテーマで、そこにはいつも父北斎があって、両方面白くてもう一回見たいな。
映画の方も、もちろん絵のことしか考えてない北斎や歌麿が出てくるわけなんですが
描かずにいられない絵描きの業を掘り下げるより人間ドラマとして作られてるように思った。
この映画で北斎は血気盛んで反抗心の強い若者で、最初は特に歌麿をライバル視したり
人に勝ちたい、有名になりたい、売れたい、みたいな欲のある絵描きとして描かれ、
晩年に色々と悟ってとにかく絵を描きたいいい絵を描きたいという老人になります。
それはそれで面白く描かれたいたと思うし
人物造形が、わたしの思ってた北斎や歌麿や写楽とぜんぜん違ったのもちょっと面白い。
歌麿の色気のある玉木宏は良かったけど、晩年の北斎を演じた田中泯は、ちょっとベタすぎかな。
映画としてエンターテイメントとしてまあまあかもしれないけど
個人的には長い割に特に新しいもののない映画でした。

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