うーん。
これはやっぱりフラメンコの力でできてるはずの映画で、それなしで
ただのドキュメンタリー映画としてだけでは、ちょっと成立しない。
映画自体はいいと思うんですよ。
フラメンコの音楽も、ダンスシーン以外も、いい。
踊りたくてたまらない、体の中にフラメンコが流れている
小さい男の子なんて、最高です。
でもわたしには結構欲求不満の残る映画でした。
ダンス以外の部分がやや冗長なのと(監督のこだわりなのか
ひとつのシーンを、多分必要より少しずつ長めに撮ってある感じがする。
見やすさより自分のこだわりを押し通す頑固な監督なのかな?)、
それより何より、素晴らしい踊りなのにダンスシーンのカメラがほぼ
上半身か下半身かどっちかしかうつさないのが気になって気になって・・・。
上半身だけ映ってるのシーンが半分以上なんだけど、
足の、靴のステップ(?)のすごい音がリズムががんがん伝わってきてるのに
上半身ばかり長まわしで映ってるのが続くと、いらいらする。
逆に、足下だけ映ってるのも物足りなくて、いらいら・・・。
やはりこういうダンスは全身で、表情も手の動きも腰や足の動きも音も、
全部見せなきゃダメなんじゃない?
ダンサーの全身が映るのはかなりわずかな部分の印象。
特に後半の、舞台の上での本番のシーンは上半身ばっかり。
すごいダンスなのに、全体が見たくて見たくて、
じらされてる感じ・・・くらいならいいけど、
これでは、積もり積もっちゃって最後には腹が立ってきましたよ。
焦らすのも大概にして!と思ってるうちに終わっちゃったので
エンドロールの間、憮然としてた。
映画も音楽も踊りも悪くないというか、かなりいいと思うのに、
このカメラだけでイライラして楽しみ損なった映画でした。
ダンスを単に素材のひとつにしたドキュメンタリーと思えば
これでいいのかもしれないけど、
それだと映画としては、可もなく不可もなく、とわたしは判断する。
ダンスをもっと見て感じて、フラメンコの魂を持つ人たちの力を
存分に活かしてこそ、いい映画になると思うんだけどなぁ。
伝説のフラメンコダンサー、カルメン・アマジャの娘と孫娘が
仲間達と舞台を作り上げて行くというシンプルな話です。
仲間の一人、歌手の男には甥っ子がいて
それが上記した、踊りたい小さい男の子。すごくかわいい。
まだ5、6歳かな。赤いダンス用のシューズを買ってもらって、
うれしくてうれしくて踊っちゃう。
大人に交じって、すごい舞台見て目をキラキラさせて、とてもいい。
2年前に見た映画「フラメンコフラメンコ」は、逆に
舞台をそのまま撮ったような感じながら
退屈させずに音楽と踊りを、お腹いっぱになるくらい堪能できました。
余計な物語はなし。フラメンコにつぐフラメンコ。
これ見たときは、途中に少し物語がほしい気がしたけど
今考えると、これはこれで素晴らしいと思う。
両方見て、脳内で足して2で割ると、いいかもしれません。
そして、普段クールっぽくはないんですよ。笑