ある日ファストフードでコーヒーを飲んで、本を読んでいると、隣に中年のおばさんが来た。
やや小太りの体型で、ワンピースを着ていた。
勤め帰りのように見える。
なんとなくソワソワして落ち着かない。
私は、本を読んでいてもなんとなく気になった。
そのうち、ヨーロッパ系のいかつい筋肉質の青年が現れ彼女の前に座わり、リュックを隣の席に置いた。
ジーンズにワーキングシャツの上に、冬用のジャケットを羽織ったラフな格好だ。
青年は隣の席のリュックから、大きなノートのようなものやポーチを出しながら、一言二言中年女性と言葉を交わすと急に立ち上がり、素早くテーブルとテーブルの間を連結する連結板をさっとはめ込んだ。
その後、中年婦人が英語で、青年に向って何か話している。
所々、英語で私は英語が喋れない、と言う意味の話が聞こえてくる。
青年は問題ないというような話をしていた。
青年は取り出した手帳を見せながら日にちを決めている様子だった。
そのうち、女性が3千円を男に差し出すと、男はさっととってリュックから取り出したポーチにしまいこんだ。
どうやら英会話の個人レッスンではないかと思った。
それを見ながら、私も過去無数に挫折した英会話の勉強を思い出した。
実は、私は今も英会話を勉強中である。
最近ラジオレコーダーを購入したのもそのためだ。
今年に入って三食の食事を、6時から7時の間に作るようにしているが、その前は朝食後に作るようにしていた。
三食分作る時、退屈なのでラジオを聞きながら作っていた。
去年の秋ぐらいからは、自然にNHK第二放送の語学番組やカルチャーラジオを聞くようになった。
昨年の初秋に英会話入門を、聞き始めてショックを受けた。
初級の英会話が、はっきりと聞き取れないのだ。
それでも粘り強く食事の準備をしながら聞くうちに、聞き取れるようになった。
今年の初めから三食を調理する時間を朝6時からにした。
結果的に6時から英語講座の番組が集中していた。
3月一杯までテキストも購入せず聞き流していただけだが、かなり聞き取れるようになった。
40歳の時に脱サラし、シカゴで約1年半大学のドミトリーに住み、コンコルディア大学にある民間の英語学校とイリノイ大学付属の英語コースに学び、アメリカ人の友人も出来、日常会話には不自由しなかった。
英語コースの最後は、テーマを決めて10枚以上のペーパーを書くことが課題だった。
指導教官と相談して、私は日本の資本主義が、なぜアジアで当時唯一成功したのか、マックス・ヴェーバーのプロテスタンティズムの関係と、日本の朱子学や陽明学、といった江戸時代の儒教や、その影響を受けた心学の関係とイスラムとカトリックの思想の差異を論じた。
このとき実際に頼りにしたのは、英語の本は一部で、岩波新書といった日本の本だった。
(30年以上前まで国民一人当たりのGNPの大きい国は、プロテスタント国で、カトリックやイスラムや仏教国の一人当たりのGNPは低かった。<中東の産油国は除く>日本はアジアで唯一欧米と肩を並べていた。)
(この話と関連して、丁度アメリカ人ルームメイトのE氏が、シカゴ大学の大学院に進学した時に、研究テーマで参考にしたのがマックス・ヴェーバーで、一部重なったことにお互い驚いた。かれは、その後南米の貧困層のフィールド調査・研究を行い、ラテンアメリカ文化研究で博士号を取得した。)
ペーパーは、提出期限ぎりぎりで数日前から徹夜状態で書いて提出した。
後から見直すと、文法上多くのミスがあった。
それ以後英語は全く使わなかったので、ボキャブラリーも文法も全て忘れ、中学生レベルにまで退化していた。
だから英語講座を聞き流していても、昨年の秋に英会話初級2程度を聞いても充分聞き取れなかった。
ところが、今年一月から朝6時から7時の間食事作りしながら、ラジオを聞くようになったが、その時刻は英会話の初級からレベル3までと、チャロを放送していて、体系的に英語漬けになる時間となった。
昨年末には、リスニングの力はかなり回復していたので、今年3月までは結構聞き取れて、英語に馴染むことが出来た。
ラジオを聞いていて、初級の英会話では、英語の口語表現即ち、家族や友達同士の会話が多く含まれていることに気がついた。
それらは、大学に入るための、フォーマルな英語では余り出てこない表現も多いが、普段の生活には欠かせないという。
今4月からの語学講座を録音し、勉強しようとしている。
NHKの語学講座はたくさんあって、内容もしっかりしていて、オーラルでトレーニングできるよく工夫された「英会話タイムトライアル」のような番組もある。
ネット上ではNHKのゴガクルというサイトがあって、無料で基本フレイズが繰り返し聞ける。
経験的に見て、高いお金を払って、個人レッスンを受けるより、NHKの語学講座をしっかりとするほうが、よほど効果的ではないかと想像している。
しかし今こんなことを言っているが、英語留学する以前は英会話での挫折は無数にあった。
当時、毎年数回以上英会話のテキストを購入し、今のような整った録音機器もなく、その度に挫折していた。
会社の仕事(技術的な打合せやクレーム通知)とも関連しそうな時もあったので(社長からも英語を勉強しろといわれた)国内の英語学校に通ったこともあったが、見るべき成果は出なかった。
その結果が、会社を辞めて渡米し、英語留学して最初に入ったシカゴ郊外の英語学校(リバーフォレスト近くにある大学に併設)では、9クラスある中の下から2番目の初級の中だった。(初級、中級、上級とレベルがあり、各レベルでそれぞれで習熟度別に上、中、下と3クラスあり、合計9クラスあった。)
当時のラジオ英会話と、今の語学番組とでは、構成も内容も違っていて、例えば現在は基礎英語1・2・3と細分化されていて、今のほうが格段にマスターしやすくなっているのではないだろうか。
語学の勉強で大切なのは、イディオム(熟語)を含むボキャブラリー(語彙)とリスニング力だろう。
いくらリスニングが出来ても単語や熟語が分らなければ、聞き取れないし話せない。
英語では、日常会話に出てくる熟語はやたら多いので覚えるしかない。
覚えるのは、繰り返ししかない。
一度に集中して覚えるより、毎日とか一日おきとか、繰り返し覚えるのが良いといわれる。
注、
会社を辞める、決意を固めた時は、海外旅行のつもりもなく、海外に興味も無かったし、まして英語学校に行くつもりもなかった。
国内にいて技術関係の会社をはじめる予定だった。
当時、海外旅行は英会話ができないので、全く行きたくはなかった。
しかし、仕事を開始するとその先長期間は休めないので、この際脱サラするので、一生の間になかなか出来ない1-2ヶ月の海外体験をしておこうと思い出したのがきっかけだ。
そうすると、英会話が出来ないと、どこにも自由に行けない。
そこで、英会話の学習をかねて英語留学し、その間アメリカも見てまわろうと考えたのが、ことの始まりだ。
金銭面を計算すると、生活費込みで、国内で2ヶ月遊ぶより、アメリカの英語学校に行ったほうが安い事に気がついた。(ただし私がいた英語学校の場合で、他はかなり高かった。)
やや小太りの体型で、ワンピースを着ていた。
勤め帰りのように見える。
なんとなくソワソワして落ち着かない。
私は、本を読んでいてもなんとなく気になった。
そのうち、ヨーロッパ系のいかつい筋肉質の青年が現れ彼女の前に座わり、リュックを隣の席に置いた。
ジーンズにワーキングシャツの上に、冬用のジャケットを羽織ったラフな格好だ。
青年は隣の席のリュックから、大きなノートのようなものやポーチを出しながら、一言二言中年女性と言葉を交わすと急に立ち上がり、素早くテーブルとテーブルの間を連結する連結板をさっとはめ込んだ。
その後、中年婦人が英語で、青年に向って何か話している。
所々、英語で私は英語が喋れない、と言う意味の話が聞こえてくる。
青年は問題ないというような話をしていた。
青年は取り出した手帳を見せながら日にちを決めている様子だった。
そのうち、女性が3千円を男に差し出すと、男はさっととってリュックから取り出したポーチにしまいこんだ。
どうやら英会話の個人レッスンではないかと思った。
それを見ながら、私も過去無数に挫折した英会話の勉強を思い出した。
実は、私は今も英会話を勉強中である。
最近ラジオレコーダーを購入したのもそのためだ。
今年に入って三食の食事を、6時から7時の間に作るようにしているが、その前は朝食後に作るようにしていた。
三食分作る時、退屈なのでラジオを聞きながら作っていた。
去年の秋ぐらいからは、自然にNHK第二放送の語学番組やカルチャーラジオを聞くようになった。
昨年の初秋に英会話入門を、聞き始めてショックを受けた。
初級の英会話が、はっきりと聞き取れないのだ。
それでも粘り強く食事の準備をしながら聞くうちに、聞き取れるようになった。
今年の初めから三食を調理する時間を朝6時からにした。
結果的に6時から英語講座の番組が集中していた。
3月一杯までテキストも購入せず聞き流していただけだが、かなり聞き取れるようになった。
40歳の時に脱サラし、シカゴで約1年半大学のドミトリーに住み、コンコルディア大学にある民間の英語学校とイリノイ大学付属の英語コースに学び、アメリカ人の友人も出来、日常会話には不自由しなかった。
英語コースの最後は、テーマを決めて10枚以上のペーパーを書くことが課題だった。
指導教官と相談して、私は日本の資本主義が、なぜアジアで当時唯一成功したのか、マックス・ヴェーバーのプロテスタンティズムの関係と、日本の朱子学や陽明学、といった江戸時代の儒教や、その影響を受けた心学の関係とイスラムとカトリックの思想の差異を論じた。
このとき実際に頼りにしたのは、英語の本は一部で、岩波新書といった日本の本だった。
(30年以上前まで国民一人当たりのGNPの大きい国は、プロテスタント国で、カトリックやイスラムや仏教国の一人当たりのGNPは低かった。<中東の産油国は除く>日本はアジアで唯一欧米と肩を並べていた。)
(この話と関連して、丁度アメリカ人ルームメイトのE氏が、シカゴ大学の大学院に進学した時に、研究テーマで参考にしたのがマックス・ヴェーバーで、一部重なったことにお互い驚いた。かれは、その後南米の貧困層のフィールド調査・研究を行い、ラテンアメリカ文化研究で博士号を取得した。)
ペーパーは、提出期限ぎりぎりで数日前から徹夜状態で書いて提出した。
後から見直すと、文法上多くのミスがあった。
それ以後英語は全く使わなかったので、ボキャブラリーも文法も全て忘れ、中学生レベルにまで退化していた。
だから英語講座を聞き流していても、昨年の秋に英会話初級2程度を聞いても充分聞き取れなかった。
ところが、今年一月から朝6時から7時の間食事作りしながら、ラジオを聞くようになったが、その時刻は英会話の初級からレベル3までと、チャロを放送していて、体系的に英語漬けになる時間となった。
昨年末には、リスニングの力はかなり回復していたので、今年3月までは結構聞き取れて、英語に馴染むことが出来た。
ラジオを聞いていて、初級の英会話では、英語の口語表現即ち、家族や友達同士の会話が多く含まれていることに気がついた。
それらは、大学に入るための、フォーマルな英語では余り出てこない表現も多いが、普段の生活には欠かせないという。
今4月からの語学講座を録音し、勉強しようとしている。
NHKの語学講座はたくさんあって、内容もしっかりしていて、オーラルでトレーニングできるよく工夫された「英会話タイムトライアル」のような番組もある。
ネット上ではNHKのゴガクルというサイトがあって、無料で基本フレイズが繰り返し聞ける。
経験的に見て、高いお金を払って、個人レッスンを受けるより、NHKの語学講座をしっかりとするほうが、よほど効果的ではないかと想像している。
しかし今こんなことを言っているが、英語留学する以前は英会話での挫折は無数にあった。
当時、毎年数回以上英会話のテキストを購入し、今のような整った録音機器もなく、その度に挫折していた。
会社の仕事(技術的な打合せやクレーム通知)とも関連しそうな時もあったので(社長からも英語を勉強しろといわれた)国内の英語学校に通ったこともあったが、見るべき成果は出なかった。
その結果が、会社を辞めて渡米し、英語留学して最初に入ったシカゴ郊外の英語学校(リバーフォレスト近くにある大学に併設)では、9クラスある中の下から2番目の初級の中だった。(初級、中級、上級とレベルがあり、各レベルでそれぞれで習熟度別に上、中、下と3クラスあり、合計9クラスあった。)
当時のラジオ英会話と、今の語学番組とでは、構成も内容も違っていて、例えば現在は基礎英語1・2・3と細分化されていて、今のほうが格段にマスターしやすくなっているのではないだろうか。
語学の勉強で大切なのは、イディオム(熟語)を含むボキャブラリー(語彙)とリスニング力だろう。
いくらリスニングが出来ても単語や熟語が分らなければ、聞き取れないし話せない。
英語では、日常会話に出てくる熟語はやたら多いので覚えるしかない。
覚えるのは、繰り返ししかない。
一度に集中して覚えるより、毎日とか一日おきとか、繰り返し覚えるのが良いといわれる。
注、
会社を辞める、決意を固めた時は、海外旅行のつもりもなく、海外に興味も無かったし、まして英語学校に行くつもりもなかった。
国内にいて技術関係の会社をはじめる予定だった。
当時、海外旅行は英会話ができないので、全く行きたくはなかった。
しかし、仕事を開始するとその先長期間は休めないので、この際脱サラするので、一生の間になかなか出来ない1-2ヶ月の海外体験をしておこうと思い出したのがきっかけだ。
そうすると、英会話が出来ないと、どこにも自由に行けない。
そこで、英会話の学習をかねて英語留学し、その間アメリカも見てまわろうと考えたのが、ことの始まりだ。
金銭面を計算すると、生活費込みで、国内で2ヶ月遊ぶより、アメリカの英語学校に行ったほうが安い事に気がついた。(ただし私がいた英語学校の場合で、他はかなり高かった。)