せっかくのゴールデンウィークですが、1日は県立公文書館と県立図書館で史料調査。2日・3日は、科研の研究会のため、東北大学に行ってきました。連休明けは授業づくめなので、5日はその準備をしなくちゃ。4日は休んどかなきゃ。…こんな感じで、なんだか落ち着かない連休をすごしております。GWだと思うとやってられないので、普通の休日だと思っています(笑)。
今回は、自作純邦楽曲の「唐牡丹」を公開。適当に牡丹らしきものを描いて動画を作りました。5作目の「唐牡丹」は、それまでの作曲の経験を生かすことができており、今のところ自作曲のなかでは、一番完成度の高い曲だと思っています。
唐牡丹
美しき富貴の花よ
大いなる地より来たる富貴の花よ
いにしえより大きくかつ大きく
幾重にも重なる花弁
色鮮やかな紅
純粋なる白
赤裸々なる美
明白なる品
豪華なる美を幾重にもまとい
人々のさまざまな想いを受け止めて
万様の姿を咲き誇る
美の奥は如何に
美は飾るのみでは身につかぬ
品の内は何が
品は不動の心の静けさ
古き大輪の華より生まれし牡丹よ
永い時を超えて今ここに
君は在る
(白石崇閃 2005年作曲 9分34秒)
(笛・尺八2・三絃2・箏2・十七絃1・打楽器)
(初演 2006年7月9日ぐるーぷ樹第32回日本音楽コンサート・於広島市)
ひとことコメント
この曲は、同じようだけれども少しずつ違うメロディーを重ねて仕上げました。タラランタラランと重ねていくメロディーが少し気に入ってます(^^;)。牡丹のつぼみがふわーっと咲く様子をイメージしていただければと思います。最後の二つの箏のハーモニクスが決まればばっちりでしょう。
相変わらず三絃を入れた大合奏曲を書いてみました。
(以下は初演コンサートのパンフレットに書いたものを少し訂正したものです)
牡丹の花の歴史は古く、唐代中国以来たくさんの人に愛でられてきました。日本には、薬用として中国から輸入されて入ってきたようです。その後様々な改良を加えられ、今では多種多様な色・形をした牡丹があるようです。牡丹の花の豪奢な美しさと気品は、もともと備わっているものでもあるでしょうが、それは、やはり数百年もの長い年月を経て、様々な人々が改良を加えてきた「たまもの」であろうと思います。
美や品は、持って生まれたものだけでは、ただそれだけのものに過ぎません。様々な物事を経験し、考え、様々に努力し、工夫した時、本当の美や品が生まれ、生まれ持った美しいものがさらに輝くのだと思います。牡丹の花の美や気品は、人、とくに女性の美や気品に通じると思います。本作品は、人間の成長、とくに精神的な成長の美しさや貴さを表現しようとした作品です。
(動画から下、2006年ごろ執筆か)
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