（今日は平成最後の終戦記念日です。式典での安倍首相の余りにも空虚な言葉を聞き、腹立たしく思いながらこの項をまとめました）
原発の廃炉で出る低レベル放射性廃棄物は、放射能の強い順に「L１」から「L３」に３区分されます。
今まで、決まっていたのはL2並びにL3レベルの廃棄物で
L3レベル: トレンチ処分（穴を掘って埋める）処分で、約50年間の保管
L2レベル: ピット処分（コンクリートの箱に入れて埋める）処分で、約300年の保管
となっていますが、福島第1原発事故後に廃炉が進む中で基準が決まっていなかった、原子炉内から出る汚染度が高い廃炉廃棄物（制御棒や燃料集合体など）のL1レベルの廃棄物に対する処分基準が、8月1日に原子力規制委員会により基準案が纏まったようです。
その内容は、
「活断層や火山の影響が想定されない場所で、深さ70m以上の地下に埋め、放射線の影響がほぼなくなる約10万年後まで保管」するとなっており、具体的には、
・処分場を安定した地盤に作るため、長さ5km以上の断層近くは避け、過去約260万年間に火山活動がないことを文献や地質調査で確認する。石油や石炭、天然ガス、鉱物資源がある場所も、将来掘り返される恐れがあるため避ける。
・廃棄物は埋設後約300～400年間、地下水に放射性物質が出ていないか定期的に監視し、その後は、国の許可なく処分場周辺を掘削することを禁じる。
・処分場から受ける地上の追加被ばく線量を、国際基準に合わせて年0.3ミリシーベルト以下に抑えるようにし、放射性廃棄物の容器が壊れるなど、遮蔽（しゃへい）機能の一部が損なわれた場合の放射線量を解析し、下回るかどうか確認する。
というような内容で、規制委は今後電力会社などから意見を聞いて規制基準を正式に決定するようです。
因みに、
◆放射能がより高い高レベル放射性廃棄物については、既にガラス固体化し地下300m以上の深さに埋めて、10万年以上の保管をすることになっています。
◆また処分に当る主体はL3～L1レベルは電力会社、高レベルは原子力発電環境整備機構となっています。
以前にも書き込みましたが、このような現在の人が誰も管理出来ずに、責任も負えない様な基準をまことしやかに設定する神経は理解しがたいです。
こんな案しか出せない科学者や行政担当の人たちは、本当に自己の専門分野に対する社会的責任などを感じているとは思えません。
冷静に考えると、色々な学説があるでしょうが、一般的には
◆現在の日本列島が形成されたのは、１万数千年前に氷河時代が終わると、温暖により海水面が上がり、低地が水没して、大陸と分離して誕生したと言われていますし、
◆日本人の痕跡が辿れるのは、日本がまだ大陸と陸続きだった頃の4万-3万年前頃まで
◆更に歴史的な史実が確認できるのは、日本では精々2,000年位
という事は、厳粛なる事実でしょう。
少しでも、現在の科学水準の限界の理解と、人類に関する洞察があれば、下記のようなことが可能なのかは、誰にでも判ることでしょう。
・今の電力会社が今後300年も存続するでしょうか？ ましてや、現在の国家が10万年も存続することを前提にするなど滑稽以外のなにものでもないでしょう。
・現在の科学水準で、正確に“長さ5km以上の断層近くは避け、過去約260万年間に火山活動がないことを文献や地質調査で確認する”ことなど出来るのか？
また、この地殻変動や災害も多い日本列島で10万年以上も絶対に安全な場所などがあるとは思えません。
・現在のコンクリートの耐用期間は一応50年位だと思うのですが、300年も耐用するものがあるのでしょうか？
ガラス固体化というものがどんなものか知りませんが、果して高温・圧力や水分・塩分にも耐えて10万年も耐用するような物質があるのでしょうか？
・それにも増して、今後10万年に及ぶ長期間の、管理責任とその費用などはどのようにするのでしょうか？
このような我々世代が管理できない原発を、いまだに“安全神話”に縋ってあたかも人類の科学の進歩のように崇めて継続するとともに、その危険な廃棄物処理についても制御不可能を承知の上で具体的な数値を掲げることであたかも科学的に安全かのような幻想をでっちあげて、対応が可能かのごとく繕うのは、正に“究極の現在バイアス”と言えるでしょう。
少なくとも、高濃度の汚染物質の完全で安全な処分も含め福島原発の廃炉問題の見通しを完全に付けてから、今後の原発の在り方を検討するのが筋ではないでしょうか。（まさ）
原発の廃炉で出る低レベル放射性廃棄物は、放射能の強い順に「L１」から「L３」に３区分されます。
今まで、決まっていたのはL2並びにL3レベルの廃棄物で
L3レベル: トレンチ処分（穴を掘って埋める）処分で、約50年間の保管
L2レベル: ピット処分（コンクリートの箱に入れて埋める）処分で、約300年の保管
となっていますが、福島第1原発事故後に廃炉が進む中で基準が決まっていなかった、原子炉内から出る汚染度が高い廃炉廃棄物（制御棒や燃料集合体など）のL1レベルの廃棄物に対する処分基準が、8月1日に原子力規制委員会により基準案が纏まったようです。
その内容は、
「活断層や火山の影響が想定されない場所で、深さ70m以上の地下に埋め、放射線の影響がほぼなくなる約10万年後まで保管」するとなっており、具体的には、
・処分場を安定した地盤に作るため、長さ5km以上の断層近くは避け、過去約260万年間に火山活動がないことを文献や地質調査で確認する。石油や石炭、天然ガス、鉱物資源がある場所も、将来掘り返される恐れがあるため避ける。
・廃棄物は埋設後約300～400年間、地下水に放射性物質が出ていないか定期的に監視し、その後は、国の許可なく処分場周辺を掘削することを禁じる。
・処分場から受ける地上の追加被ばく線量を、国際基準に合わせて年0.3ミリシーベルト以下に抑えるようにし、放射性廃棄物の容器が壊れるなど、遮蔽（しゃへい）機能の一部が損なわれた場合の放射線量を解析し、下回るかどうか確認する。
というような内容で、規制委は今後電力会社などから意見を聞いて規制基準を正式に決定するようです。
因みに、
◆放射能がより高い高レベル放射性廃棄物については、既にガラス固体化し地下300m以上の深さに埋めて、10万年以上の保管をすることになっています。
◆また処分に当る主体はL3～L1レベルは電力会社、高レベルは原子力発電環境整備機構となっています。
以前にも書き込みましたが、このような現在の人が誰も管理出来ずに、責任も負えない様な基準をまことしやかに設定する神経は理解しがたいです。
こんな案しか出せない科学者や行政担当の人たちは、本当に自己の専門分野に対する社会的責任などを感じているとは思えません。
冷静に考えると、色々な学説があるでしょうが、一般的には
◆現在の日本列島が形成されたのは、１万数千年前に氷河時代が終わると、温暖により海水面が上がり、低地が水没して、大陸と分離して誕生したと言われていますし、
◆日本人の痕跡が辿れるのは、日本がまだ大陸と陸続きだった頃の4万-3万年前頃まで
◆更に歴史的な史実が確認できるのは、日本では精々2,000年位
という事は、厳粛なる事実でしょう。
少しでも、現在の科学水準の限界の理解と、人類に関する洞察があれば、下記のようなことが可能なのかは、誰にでも判ることでしょう。
・今の電力会社が今後300年も存続するでしょうか？ ましてや、現在の国家が10万年も存続することを前提にするなど滑稽以外のなにものでもないでしょう。
・現在の科学水準で、正確に“長さ5km以上の断層近くは避け、過去約260万年間に火山活動がないことを文献や地質調査で確認する”ことなど出来るのか？
また、この地殻変動や災害も多い日本列島で10万年以上も絶対に安全な場所などがあるとは思えません。
・現在のコンクリートの耐用期間は一応50年位だと思うのですが、300年も耐用するものがあるのでしょうか？
ガラス固体化というものがどんなものか知りませんが、果して高温・圧力や水分・塩分にも耐えて10万年も耐用するような物質があるのでしょうか？
・それにも増して、今後10万年に及ぶ長期間の、管理責任とその費用などはどのようにするのでしょうか？
このような我々世代が管理できない原発を、いまだに“安全神話”に縋ってあたかも人類の科学の進歩のように崇めて継続するとともに、その危険な廃棄物処理についても制御不可能を承知の上で具体的な数値を掲げることであたかも科学的に安全かのような幻想をでっちあげて、対応が可能かのごとく繕うのは、正に“究極の現在バイアス”と言えるでしょう。
少なくとも、高濃度の汚染物質の完全で安全な処分も含め福島原発の廃炉問題の見通しを完全に付けてから、今後の原発の在り方を検討するのが筋ではないでしょうか。（まさ）
