老いの途中で・・・

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コロナウィルスは安倍政権への救いの神?

2020年07月24日 19時48分06秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 政府は、17日に今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定しました。

 この「骨太の方針」なるものは、小泉純一郎政権時代の2001年に構造改革を図るために、官僚主導ではなく首相官邸が政治主導で予算をつくるために始まり、政権が進める政策運営や予算編成の土台となる財政・経済政策の基本方針のことで、来年度予算案づくりに着手する前の6月に閣議決定し、首相が議長を務める「経済財政諮問会議」でまとめられます。

 今回の方針では、
  ・行政のデジタル化
  ・テレワーク
  ・国土強靭化、防災・減災
  ・デジタル通貨
など新型コロナウイルス感染症問題で浮かび上がった課題への対応を前面に打ち出していますが、日経新聞などによると、肝心の具体策は目先のものや、すでに目にしたようなメニューが目立つとのことです。

 そして、問題は、この方針の大きなテーマである「財政健全化」問題については、見通しの数値を明確に示さず、“2018年や19年の骨太の方針で示した計画通りに進めると強調したうえで「20年末までに改めて工程の具体化を図る」”と記すに止められということです。


 そもそも「財政健全化」については、社会保障費などで膨らむ一方の赤字国債の削減を図る必要があることからその必要性が叫ばれています。
安倍政権でも当初には2020年度のPB(プライマリーバランス)の黒字化を謳い、これを実現するためとして、王道であるべき歳出の削減ではなくアベノミクスなる政策で実質2%、名目3%という一見不可能の経済成長を掲げて税収入を増やして財政の健全化を図るという政策をとりました。

 しかし、ご存知のようにアベノミクスなる政策は一向にその成果を見せずに、歳出のみが拡大する状態となり、政府は色々な言い訳や新しいキャッチフレーズを繰り返し、PB黒字化目標は2020年から2025年に延期されましたが、多くの識者はその実現を疑問視している状態でした。


 そして今年の新型コロナウィルス感染症問題の発生です。
これに伴い、色々な対策費が必要となり、政府は更なる大幅な赤字国債の追加発行を余儀なくされた結果、PB黒字化の目途は一層見通しが立たなくなり、もはや安倍政権の眼中にもないでしょう。

 ある意味では、安倍政権はコロナ問題のお陰で、財政健全化に触れなくても許されると判断したのでしょう。
コロナ対策として打ち出されたのは、最も備えておかねばならない医療体制の確立や予防策ではなく、如何に経済を維持させるかという自民党支持層への遠慮のないサポート政策が中心です。

 非常に悲しい現実ですが、安倍政権にとって新型コロナウィルス感染症問題は、アベノミクス政策の破綻による財政政策の失敗を覆い隠すための救いの神なのかも知れません。(まさ)

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