この件については9月27日決行との政府方針は変わらないようで、公表予算16.6億円も掛けて、国内外からの参加者6,000人(内、海外からは700人程度と予想されている)で準備を進めているようです。
◆この国葬儀を巡っては、国会にも諮らずに内閣が独自で決定した経緯や、安倍氏の業績評価に関する反対の意見が多かったのですが、その後安倍氏や自民党と旧統一教会とのズブズブの関係が次々に明るみになると共にその比率が増え、最近では6割にも達し、これと共に内閣支持率も3割を切るという世論調査も出ているようです。
理由をつけて開催中止をしたいのが政府の本音かもしれませんが、海外にも案内状を出した手前、政府としても今更中止とは言いにくいのでしょう・・・
◆皮肉なことに、政府がこの国葬を決めた後にイギリスのエリザベス女王が急逝され、その国葬の様子が実況されていました。
何処の国にでも国葬に反対する勢力はある程度はいるのでしょうが、少なくともこの英国の国葬は、国民の大多数や関係諸国からも慕われた国家元首の葬儀である国葬というものの、実態を明らかにしてくれました。
この英国の参列者が心から悼む様子が感じ取れる荘厳な国葬を見た後では、安倍元首相の国葬儀なるものの茶番劇は一層浮き彫りになってしまうでしょう。
◆となれば、気の毒なのはこの国葬儀とやらに参列する人々でしょう。
招待なのか、案内状に基づく自主参加なのかは判りませんが、日本国民の6割以上もの人が反意を示している国葬儀に出て、心から悼むことなどしないでしょう。
そこにあるのは、単なる付き合い儀式、強いて言えば損得勘定が働いた参列という構図はより明白になるだけです。
忙しい中を貴重な時間を割いて来られる海外からの参列予定者には、誠に気の毒で仕方ありません。
◆我が国の法律では、建前としては首相が国家元首なのですが、国際慣例上は元首ではないというおかしな形になっています。
従って、英国の国葬には参列された天皇陛下の参列もなく、休日にもならず、国民も喪に服さない儀式となり、「国葬」とは言い切れずに「国葬儀」という曖昧な呼び方で、あたかも「国葬」のごとく装って国が費用を負担することにしたのでしょう。
その結果、各国からの参列者を見ても、元首は参加しないという「国葬」とは名ばかりの摩訶不思議な行事になってしまったのではないでしょうか。(まさ)