「げんごどうだん」と呼ばれたり、「言語同断」と誤って書かれることが多いですが、「ごんごどうだん」と発音し、現在では❝言葉に表せないほどあまりにひどいこと。とんでもないこと。もってのほか。❞という否定的な意味で使われます。
しかし、本当の意味としては、「言語」は言葉に出して表すこと、「道」は口で言うこと。更に「道断」は言うことが断たれることを意味し、<言語の道が断たれる>という意味です。
元々は仏教に由来する言葉で、仏教の奥深い真理や悟りの境地を表すポジティブな言葉でした。奥深い教えや究極の境地が、言葉では到底表現することができないほど尊く、素晴らしいことを意味していたのです。
仏教から離れて使用されるようになってからも、しばらくは肯定的な意味で使われていました。平家物語でも、「言いようがないほど立派である」という意味合いで使われているようです。
しかし、現代では本来の意味では使われなくなり、「言葉に言い表せないほどひどい」という、正反対の意味で用いられるようになったということです。(まさ)
※ この項については、「語源を楽しむ」(ベスト新書増井金典著)や<goo辞書><Domani>などを参考にさせていただきました。