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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

生息確認!絶滅魚「クニマス」が山梨・西湖に(10/12/15)

2012年05月02日 | 日記
田沢湖へ向かう途中の三叉路で、右方向の矢印に“玉川温泉40km”とあった。雪崩で湯治客が亡くなる事故のあったところやなと思い出した。

 その玉川温泉から流れ出した強酸性の水を、1940年(昭和15年)に発電所の建設と農業振興(玉川河水統制計画)のために田沢湖へ導入した結果、田沢湖は急速に酸性化し固有種であったクニマスは絶滅。水質も悪化し魚類はほぼ死滅してしまった。というバスガイドさんの説明を聞いた時、“クニマス”の発見の話が最近話題になっていたなと漠然と思い出した。

 その時は、何が凄いのか深く考えずに、テレビも新聞も軽く見たり読んだりしただけであったと思う。四方を山に囲まれ思っていたよりも俗化していない静かな湖の佇まいからは到底わからない環境破壊の歴史を現場で聞くことで、もう一度、その時の報道をじっくり読みたくなった。

生息確認!絶滅魚「クニマス」が山梨・西湖に(10/12/15)



「まさかクニマスが生きていたとは」――。秋田県の田沢湖畔に代々住み、クニマスを研究していた故三浦久兵衛さんの長男久さん(61)は、70年前に絶滅したと信じられていたクニマスの再発見に「すごい! 世紀の大発見ですね」と喜んだ。

 田沢湖は秋田県仙北市にある日本一深い湖。最深423メートルで100メートル以深の水温は4~5度。かつては透明度が極めて高く、クニマスのほか、スナヤツメやイワナ、サクラマス、アユ、ウグイなど多くの魚が生息していた。

 田沢湖の北には玉川温泉があり、湧き出す強酸性の水が玉川に流れ込んでいたため、田沢湖の水で中和して農業用水を確保し、同時にダム湖にして電力供給しようと、1940年に玉川の酸性水を田沢湖に導入した。世界中で田沢湖にしかいない固有種クニマスは1年もたたずに姿を消したという。

 湖畔に住んでいた仙北市の大山文穂さん(78)は「正月に焼いて食べたのがおいしかった」と懐かしむ。「1匹、米一升」と言われた高級魚だったが、35年の漁獲量は8万8千匹近くあった。

 「父が生きていたらどんなに喜んだことか」と久さん。クニマス漁をしていた父の久兵衛さんは「網を引き揚げる時の手の感触、キラキラ光る感じが忘れられない」と話していた。

 玉川の酸性水を湖に入れれば、魚は死ぬと漁師たちはわかっていた。だが、「食糧増産と経済発展が最優先された時代。反対の声はかき消されたのだろう」と久さんはいう。

 クニマスが消えた後、久兵衛さんはクニマスが西湖や本栖湖へ放流されていた記録をみつけた。35年の消印で、田沢湖孵化(ふか)場から送ったクニマスの卵の到着を知らせる西湖村漁協のはがきが、今も久さんの元にある。

 クニマスを研究してきた杉山秀樹・秋田県立大客員教授は「他の湖で生き残っているかも」と期待し、クニマス捜しを仕掛けた。95年から3年間、当時の田沢湖町観光協会が懸賞金500万円を掲げて呼びかけた。各地から送られてきた魚は久兵衛さんと鑑定したが、見つからなかった。

 杉山教授は「遺伝学的に高度な分析ができるようになり、形態学的には判別がつかなかったことも可能になったのだろう」という。「ただ田沢湖のクニマスが絶滅したのは事実。いわば国内産外来種だ」と受け止める。「田沢湖ではもうすめない。貴重な固有種を人間が絶滅させた間違いを二度としてはならない」


 貴重な教訓を残してくれた出来事であったと思う。 ちょうど今日の夕方のニュースで、琵琶湖の固有種の保護についての取り組みが特集されていた。今までよりは興味を持って見るようになった。
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