塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 雨に詠えば 熊野 謡曲画誌より

2019-10-07 05:41:17 | ミュージアム巡り_2019
 次の書は、「熊野」(謡曲画誌より、成立:康生2年・1456,作
者:不詳)。
 展示資料は享保20年(1735)に出版された前項の「湯谷」と同
曲で、謡曲を読み物として物語に仕立て直し、それに挿絵を添え
たもの。作者は儒学者の中村三近子で、挿絵は絵師・橘守国、内
務省旧蔵、全10冊。
 展示頁の挿絵は、熊野(湯谷)が主人・宗盛の和歌の短冊を差し
出す場面。画面上部に和歌「いかにせん 都の春もおしけれどなれ
し 東の花やちるらん」(訳:どうしたら良いでしょう、都の春の桜
も見捨てがたいですが、慣れ親しんだ東国の花も今に散るかもし
れないのです)と、都の花は宗盛、東国の花は老母を指している。

 もう1点の画は、「能楽図絵 熊野」(刊行:明治34年・1901,
絵師:月岡耕魚)。能楽の舞台風景で、花見の宴に向かう熊野が
車に乗る様子が描かれている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)
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