塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 刀絵図

2024-07-06 04:58:37 | ミュージアム巡り_2024
 続いて、「刀絵図」(元和元年・1615、埋忠寿斎筆、紙本墨書、33.8
/2101.2cm)。これは豊臣秀吉が所持した刀剣、太閤御物の絵図巻。
所載刀剣は73口で、実物大で刀身、刃文、刀身彫刻、銘文を描いた薄
葉紙を台紙に貼り交ぜて、号、寸法、健常者などを書き記している。

 奧書の記載により、埋忠寿斎が制作したもので埋忠家と古谷家に伝
来したことがわかる。台紙の紙背には継ぎ目ごとに丸形黒印が二カ所
ずつ捺され、制作当初の状態を保持している。
 本品には、埋忠家が手がけた金属加工の作業記録が16口あり、一例
として「骨喰藤四郎」の茎尻を寿斎が切り落とした事が記され、実物
の現状と一致している。

 また、「一期一振藤四郎」や「鯰尾藤四郎」など10口の図には“ヤ”
の符牒が記され、これは大坂夏の陣による焼身を意味する。さらに光
悦の血脈に連なる多賀豊後守高忠所用の伝来を持つ「豊後正宗」を太
閤御物の代表格である「骨喰藤四郎」と並んで巻頭に掲げている。こ
れには本阿弥家と埋忠家の歴史や業績を顕彰するための家伝書ともい
える。
TNM(台東区上野公園13-9)
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