海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

ド派手過ぎる照明 上海

2015-09-25 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

昨日は日中の遊覧船の違いで中国は照明が派手と書いたのだが、本日はそれのわかりやすい店の例が下の写真。

 

大世界の裏通り

こんな場面に遭遇したらデジカメの彩度を下げておかないと、色が飽和状態になってしまうので注意。 中国の国民色は何が何でも赤と決まっているので赤い照明には私も慣れてしまったのだが、やっぱりこんな場に長くいると落ち着かない自分がよくわかる。

雲南路

 

たまに日本に戻り東京の街のイルミネーションを見ると洗練されていて美しいと思う事があるが、私は中国の街のイルミネーションに美意識を感じた事はほとんどない。一言で言えばケバケバしく賑やか過ぎる。

確か1996年の年末だったと記憶しているが、淮海路の並木が初めて電球で飾られた事があった。当時はLEDが無かった時代なので、本来なら直径1cm以下の小さな電球をたくさん使えば良いと思うのだが、それを直径5cmもある電球をたくさん使って街路樹すべてに張り巡らせた為に、夜が昼間のような明るさになってしまった。そしてその電球がクリアー球(すりガラスでは無く透明のやつ)だった為に、車を運転するドライバーがあまりにも眩し過ぎて交通事故が異常に多発したという当たり前の事が起きてしまい、結局翌年はそれを取りやめた経緯がある。その時私もその現場に居たので記憶に残っているが、夜にもかかわらずライカM6の内蔵メーターが異常な値になったのを今でも覚えている。その当時の上海は電気が不足気味で計画停電をやっていた時代なので、飲食店はローソクを常に用意してあり停電時に備えていた時代だった。

淮海路を電飾にしようぜ(お上)→簡単なデザインと1cmの電球を提案(業者)→地味だ電球が小さすぎるぞ(お上)→ハイわかりました(業者)→クリアー球の方がもっと明るいだろう(お上)→ハイわかりました(業者)→実行(業者)→眩しすぎる(市民)→交通事故多発で苦情(市民)→翌年から中止。これは私が勝手に想像したので本来はこんなやりとりがあったがどうか分からないが、物事を引いて見る事が出来ない人達と、物事を深く考えない人達の荒業としか言いようない事件のような出来事だった。当時、淮海路のみ電飾で飾ったので、他の路からいきなり淮海路に入ると想像がつく。一番の被害者は、このトバッチリを受けて交通事故にあった上海市民だったのは間違いない。
 
 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする