覗くという言葉は秘密めいていて好きな言葉でもあり行為でもある。そんな時、クッキリクリアーに鮮明な画像だと何だが秘め事に見えないので、不鮮明でトーンは暗い方がそれらしく見えるもの。覗きという言葉を聞くと、なぜか今でも寺山修司を思い出す。彼は1980年に覗きでパクられた事があったが、あの時に彼は路地裏で本当に覗きをやったのかどうかは不明。彼はあそこで何かを見ていたのか、あるいは観ていたのか眺めていたのか当人しかわからない。その時、取り押さえたオヤジからすれば彼の風貌が怪しいので、見ていたを覗いていたに置き換えたのかも知れない。
カメラを持って街をスナップするという行為は、ある意味覗きに近い行為かもしれない。他人から見た場合、堂々とカメラを構えれば覗きに見えないかもしれないが、実際やっている事は覗きと同じかもね。なぜなら自分にしか見えてないある一部分の現実世界をカメラで勝手に切り取っている訳だから。
本日のブログと関係無いが、日仏合作映画で寺山修司の「上海異人娼館 チャイナドール」がネット上に落ちていると聞き、それを拾い久しぶりに寺山映画をみた。この映画は香港で撮影したようだが、舞台となった春桃楼という名の売春宿のセットの内装がとても良い。画像の色も渋めでコントラストが低いので、彩度の高い色がよけいに淫靡に感じられる。すでに他界した山口小夜子が娼婦役として出ていた。お勧めですよ、この映画。
EOS5DⅡ CanonFD50mm f1.4補正レンズ付アダプター使用