建国路x黄陂南路付近
解体現場には壊す人と発掘する人が入り乱れていたのは上海万博の前くらいまで。ここは、以前の事務所から目と鼻の先の解体現場で万博時には大型バスの駐車場にもなった場所。
夫婦二人一組で宝探し
金属探知機は必需品
宝物を探すには金属探知機は必需品で、地中に埋まった金銀財宝を見つけたら億万長者に成れるかも知れない夢がある。でも普通そんな物が解体現場にある訳がない。彼らは、地中に埋まった鉄や銅などを探し当て、それを売って金を稼いでいる地方から来た農民工なのだ。解体現場には金属探知機を持ってうろつくライバルが多いので当時はかなりの激戦区だった。時々怒鳴り声が聞こえてくるのは、発見した鉄屑をめぐり所有権争いが始まった証拠。皆それを知っているので大物を発見した場合は即地面を掘る事はしない。しばらくその場で休むフリをして、ライバルが遠く離れている事を確認して掘り返すのだ。
当時は鉄1キロがどのくらいで売れたのか知らないが、このビジネスの投資金額は金属探知機が約1万円だけなので元手はタダのようなもの。なので結構な収入になったのかもしれないが・・・。面白そうなので私も30分ほど彼らに付き合ったのだが、安物の金属探知機なので誤作動も激しく見つかったのは錆びた釘や細い針金などのみで、大きなお宝にはお目にかかれなかった。ただ、金属探知機が反応しピピピと音が鳴ると、彼らの表情が激変する様があまりにも教科書通りの表情なので視覚的に楽しめた覚えがある。
では、工事現場からまったくお宝が見つからないかというと、時々とんでもない物が発掘される事がある。それは、古い墓が見つかり棺の中からミイラが出てきたことが実際にあったのだ。その時に金銀財宝が一緒に出ていたらもっと大きなニュースになり解体現場に金属探知機オヤジが溢れかえっていたはずだが、そうはならなかったので数日で忘れ去られた小さな出来事で終わってしまった。
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